愛がなくてもセックスができる―。それがオトコ

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そして、霊長類。
主に日本猿のオスは子孫の確保のために、より多くのメスと交尾を行い
同時に他のオスに、より多くのメスを従わせることで自分の力を示す。
リーダーは外敵から群れを守り、また、群れ内部での争いに介入して調停する。
ただし以前までは、強力な統率力をもつボスザルとそれを取巻くメス、子供を中心として
他のオスは周辺部に位置し中心部に入ることが許されないという
「同心円二重構造」として群れの社会構造が説明されていたが
日本猿の群は、メスが自分の生まれた群れに留まり続け
オスが自分の出自の群れから移籍する、母系社会であるということも分かっている。

それから、霊長類の中でも、特に人間に近いとされるサル目は「ヒト上科」に分類される。
チンパンジー、オランウータン、ゴリラ、テナガザルがそうである。
このあたりから、オスとメスの関係がガラっと変わってくる。

まず、テナガザルは一夫一妻であり、子供を含めた4頭程度の群れを形成している。
テナガザルは、ほぼ完璧な一夫一妻制で、しかも、生涯を同じ伴侶とともに暮らす。
子供ができると、両親がそだてて、やがて子供たちは巣立っていくというもので
かつ、その家族というものは、他から完全に独立していて、夫婦と子供からなる家族が
多数あつまって群を作ることはないとされている。
これほど仲むつまじいおしどり夫婦でありながら、交尾をするのは、年に数回と非常に少ない。

オランウータンの場合はというと、単独雄と、母子集団という形をとる。
オスはほぼ完全に単独で独立し(オランウータンには天敵がほとんどいない)
一人であっちこっちうろつき生涯を過ごし、子育ても一切しない。
メスは子供をそだてて、自分の子供とともに数頭で移動し、交尾期になると
単独雄と交尾して、そのまますぐにオスとは別れる。