いじめの問題は、子供たちが進学などで近視眼的になり、想像力に欠けていることが
一因だ。友達に「うざい」「消えろ」「くさい」などと言ったとき、相手がどのくらい傷つくか
想像できない子がいじめをする。
相手が弱いからいじめをするのではなく、自分たちと異質なものを排除するために
いじめている。強い子でも、いじめられれば弱くなっていく。友達は傷つけ合うのではなく、
支え合って生きていくことが大事なんだよ、と子供たちには伝えたい。
いじめをやめさせるには、学校や親はただ「命は大切」とお題目を唱えるだけでは駄目。
障害者や高齢者とかかわるボランティア体験などを通じて、コミュニケーション能力を高め、
自分たちとは異質な存在を認めるように導くべきだろう。
■話を聴く
いじめで悩んでいたら、まず信頼できる人に話をしてほしい。言うことは、決して
恥ずかしいことではない。「つらいよ」「助けて」と伝えてほしい。子供のいじめは、
大人社会の反映でもある。そういう意味では、大人の責任は大きい。
大事なのは、子供からの相談を周囲の大人がきちんと受け止めること。相談を受けた
とき、「我慢しろ」とか「もっと強くなれ」とか、いじめられる側に問題があるようなことを
絶対に言ってはならない。その子は二度と心を開かなくなる。
まず、その子の話を「聴く」こと。「聞く」のではなく、心から子供の思いを受容し、
肯定的に受け止めることだ。そうすれば子供の心にも染み込み、救いになる。
【許すないじめ】(10)異質な存在認める社会に : 神奈川新聞の連載
: ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞
http://www.kanaloco.jp/serial/entry/ijime9/