【社会/企業】『歴代の品質保証担当部長3人、8年間リコールを怠る』 トヨタを書類送検、モデルチェンジ時に強度実験せず

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1依頼@芋の煮っ転がされφ ★
 トヨタ自動車のRV車「ハイラックス」に欠陥があると知りながら、
歴代の品質保証担当の部長3人が約8年間リコールを怠り、
人身事故を引き起こしたとされる業務上過失傷害事件で、

同社が88年に同車種をモデルチェンジした際、
強度の安全性を確かめる実験をしないまま、
旧モデルの部品を使っていたことが、熊本県警の調べでわかった。

 不具合が多発した後に実験したところ、強度不足が判明し、
その後製造した同車種には改良部品を取り付けたという。

 不具合が確認されたのは、ハンドルの動きを前輪に伝える「リレーロッド」。

 県警によると、同社は88年のモデルチェンジで
前部車軸にかかる重量が95キロ増えたにもかかわらず、
旧モデルのリレーロッドをそのまま使用。

 その際、社内で定めた旧モデルの安全基準
「6万回の据え切り(停車した状態でハンドルをいっぱいまで切る操作)と同等の負荷に耐え得る」か
を確かめる実験を行わなかった。

 92年ごろから、リレーロッドが折れ、
ハンドル操作が不能になる不具合が多数報告されたため、
95〜96年の社内調査の際に実験を行い、強度不足が分かったという。

 その後に製造した車両には、強度を高めた改良型を使い始めたが、
販売済み車両については危険性を認識しながら部品交換などの対応をとらなかったため、
04年8月、同県菊池市で5人が重軽傷を負う事故を招いたとみている。

 国交省は、メーカーからモデルチェンジなどの申請があれば、
道路運送車両法に基づき、提出された書類を審査し、
保安基準に適合すれば認証している。

 このモデルチェンジの際も認証したが、
同省は「堅牢(けんろう)性をメーカーが証明できていれば、
実験が必要かどうかはメーカーの判断」としている。

 同社は04年の人身事故の2カ月後、不具合が11件起きたとして同省にリコールを届け出た。
しかし、県警によると、この時点で同社は国内52件、国外28件の不具合情報を把握していたという。

 改良型リレーロッドを使うことは、96年に社内で開かれた会議で報告された。

 県警は会議に出席した当時の副社長、常務にも事情を聴いたが、
不具合についての個別の報告は受けておらず、
リコール届け出の決定権も部長にあることなどから、立件は見送る方針。

 同社広報部は、実験の有無について「捜査にかかわることなのでコメントは控える」としている。

■ソース
asahi.com[2006年07月12日21時28分]
http://www.asahi.com/national/update/0712/SEB200607120045.html