ニューヨーク市で、葬儀場に安置された何百体もの遺体が違法に切り刻まれ、その一部が
遺族の許可を得ることなく売られていたとの疑惑が浮上し、当局が捜査に乗り出した。
著名なイギリス出身のテレビジャーナリスト、アリステア・クック氏の遺体も被害にあったと
いう。捜査当局によると、遺体の骨や皮膚、腱が売買されていたようだ。
さらに悪いことに、保健当局によると、違法に売られた遺体の一部には病原菌に感染して
いるものもあり、皮膚移植や歯のインプラント、整形外科の治療に使われた場合、移植を
受けた人が感染する危険性もある。書類は偽の署名や虚偽の情報で隠蔽工作がなされて
いるため、表面上こうした危険があることはわからない。
(中略)
クック氏の事件に関しては、12月に捜査官が遺族と連絡を取ったことを当局が認めている。
クック氏については、その骨が火葬前に遺体から摘出され、ニュージャージー州フォートリー
にある組織バンク、バイオメディカル・ティッシュー・サービス社によって売却されたことを示す
書類が見つかっている。クック氏は、テレビ番組『マスタービース・シアター』の司会でよく知ら
れたジャーナリストで、2004年にガンのため、95歳でマンハッタン区で亡くなった。
遺族は骨の提供を承認した覚えはないとしている。書類は、死因をガンから心臓発作に変え、
年齢を85歳と若くしてあり、偽造したものだと遺族は言う。ガン患者の骨を移植に利用すること
は、米食品医薬品局(FDA)の規則に触れる行為だ。
(中略)
今回の事件は10月に『ニューヨーク・デイリーニュース』紙がはじめて報道したものだが、捜査
が進むにつれ、他にも身の毛もよだつような話が明らかになってきた。一例を挙げると、クイー
ンズ区に住んでいた老婦人の遺体を捜査当局が11月に掘り起こしたところ、下半身の骨の
ほとんどが摘出され、代わりに塩ビ管が埋め込まれていたという。
http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20060106202.html