株式会社スクウェア・エニックスは、マイクロソフトブースにおいて、Xbox360版「ファイナルファンタジーXI」を出展し、「プロマシアの呪縛」
に続く3本目の拡張ディスクとなる「アトルガンの秘宝(英表記:Treasures of Aht Urhgan)」を正式発表した。
Xbox360版の最新バージョンの出来映えを見るつもりが、Xbox360版での拡張ディスクの公開と、東京ゲームショウ参加者にとっては
嬉しいサプライズとなった。
公開されている情報は多くないが、わかった範囲内で「アトルガンの秘宝」の内容を紹介しよう。
今回、公開された情報は、プロモーション映像と、FF11スタッフによるデモンストレーションに留まる。
実は「アトルガンの秘宝」が東京ゲームショウで公開されるという情報は事前に告知されておらず、我々も会場で初めて知っただけに
驚きは大きかった。
プロモーションムービーはわずか1分ほどの長さだったが、非常に濃い内容だった。
前半に意味深のメッセージを織り交ぜつつ、FF11本編から「ジラートの幻影」、「プロマシアの呪縛」までの名シーンをダイジェストで
振り返り、後半で計4つの新エリアを数秒ずつ見せるというもの。
新エリアの内容は、巨大な幽霊船、ボヤーダ樹を想起させる薄暗い湿地帯エリア、紅葉の美しい草原エリア、そして新たな冒険を
予感させる新航路。
新航路のシーンでは、船の向こう側の岸壁に壮大な城の城壁とイスラム圏の建物を彷彿とさせるドーム型の建設物が望遠でき、
大きく夢を膨ませてくれる。
これら新エリアがヴァナ・ディール世界の“どこ”にあるのかは不明だが、これだけ大規模な文化圏を既存世界に無理なく収めるには、
もはやワールドマップの裏側にしか残っていないのではないか、という気がする。
ムービーの最後にFFユーザー待望の新ジョブ「青魔道士」が、イスラム圏風の装いで登場。
タルタルがスパイダーの特殊攻撃「スパイダーウェブ」らしき技を使ったり、ヒュームが両手を広げながら豪快にマンティコアの
「火炎の息」を吐くシーンも確認できた。
青魔道士についていくつか補足しておくと、青魔道士は決してメインストリームではないが、FFシリーズお馴染みのジョブで、
「ジョブを10個挙げろ」と言われればその中には必ず入るぐらいのインパクトの強いFF固有のジョブとしてFFファンに愛されている。
その特徴は、名を体現するアビリティ「青魔法」。
「ラーニング」使用時に特定の敵の技を受けることで、その技を習得し、「青魔法」としてMPを消費して使用することができる。
中には極めて有効な技もあったりして、極めプレイには欠かせないジョブである。
ちなみに、FF11の基本コマンドであるジョブの強さを計る「調べる」や、獣使いの「みやぶる」も、もともとは青魔道士のアビリティである。
ただ、上記はいずれも過去の例で、FF11の青魔道士がどういう能力を持ったジョブになるのかはまったくわからない。
現時点で言えそうなのは、MPを持つ中衛的な位置づけのジョブになるだろうという、願望に近い予測ぐらいで、そもそも敵の
技を修得する方法が「ラーニング」なのかどうかすら現段階では定かではない。
いずれにしても、敵の種族、固有技、固有エフェクトの多さは、FF11の強みのひとつであり、それをユーザーに一種“開放”し、
既存データによって新たな楽しみを提供する試みのは、賢い考え方だと思う。
ただ、レベル制、サポートジョブシステムを敷くFF11での青魔道士の青魔法が特殊な扱いになるのは間違いなさそうで、
どの種族のどの技を開放し、何レベル、消費MPいくつにするのかというのは、開発側の腕の見せ所と言えるだろう。
さて、マイクロソフトのFF11コーナーでは、宣伝プロデューサーの羽生田氏に少し話を伺うことができた。
基本的にムービー以上の情報は出せないということだが、「アトルガンの秘宝」では、ディレクターが「プロマシアの呪縛」
ディレクターの河本伸昭氏から、マッププランナーの小川公一氏に変更になっている。
コンテンツとしては、新ジョブ、新エリア、そして新ストーリーと、物語をドライブするための新しい仕掛けなど、という。
新ジョブの数は「お答えできません」、複数かどうかについては「どうでしょうかねえ」と前向きな回答だった。
気になるのは、FF11の魅力の源泉であるストーリーの展開方法。
FF11本編と「ジラート幻影」では、レベル1桁台から75までを対象に正攻法のアプローチ、「プロマシアの呪縛」では
演出面を強化する一方、レベル制限エリアを多数導入し、シビアなゲームバランスが賛否両論を集めた。
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20050916/tgs_ff11.htm