「そうか病」抑制、サツマイモに期待 大正農協が試験栽培
帯広大正農協(山田昭義組合長)は今年からサツマイモを栽培し、
主力商品ジャガイモの大敵「そうか病」の発生を抑制する効果を調べる。
同時に温暖を好むサツマイモを十勝で栽培や貯蔵する方法を研究するほか、
販路も探していく方針だ。
そうか病は、病原菌が根菜類の実の表面に斑点を付ける感染症。
品質に大きな影響はないが、見た目が悪いため、生食用に使えない。
同農協はジャガイモが主力商品だが、そうか病には長年悩まされており、
対策も決め手を欠いて「近年は被害が増えている」(生産販売部)状態だ。
一方で、北海道農業研究センターは、ジャガイモの前作としてサツマイモを
栽培すると、そうか病の菌密度が下がることを確認している。研究報告書などに
よると、発病率を低下させる明確な理由は分からないが、サツマイモの根は
非常に多く、根が土壌の微生物に何らかの影響を与え、そうか病の発生が
抑制されるとみられている。
サツマイモの試験栽培は、札幌の種苗会社から薦められて実施。同農協が今年、
農家二戸に委託して千二百株を植えた。同一ほ場内では、サツマイモに加えて
ビートやヤーコンも植え、各作物の栽培場所に翌年、ジャガイモを栽培。
そうか病菌の密度を比較する。試験栽培は少なくとも三年以上続ける方針。
また、温暖を好むサツマイモは十勝で栽培技術が確立されていないことから、
適切な施肥料なども調べる。同部は「病原菌の抑制効果やサツマイモの販路を
調べ終えた段階で、その後の方向性をあらためて考えたい」としている。
ソース:
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/backnumber.php3?&d=20050813&j=0042&k=200508138736