「訪問販売お断り」のステッカーは、効き目があるのだろうか? 訪問販売員としては、「訪問販売お断り」の
標示がある家は敬遠したくなるものなのだろうか?
私が訪問販売員だったとしたら(昔、そんな仕事を少しの間だけやったことがあるが)、敬遠せずに呼び鈴を
押すとしても、かなり弱気になると思う。
だが、「訪問販売お断り」のステッカーを貼っている家に堂々と売り込みに行ける商品がある。呼び鈴を押して、
相手が出たときに最初に切り出す言葉はこうだ。「今お使いの訪問販売お断りステッカーは、もう効き目が
ありませんよ。新しいものに交換することをお勧めします」。
英国ウォリックシャー州では、実際にこのようなステッカーを売りつける訪問販売業者が現れているらしい。
地元のTrading Standards(日本で言うところの消費者保護センター的な機能を持つ組織)に寄せられた
苦情は今のところ1件だけだが、苦情を寄せた女性はステッカーを1ポンド(200円ほど)で購入したとのこと。
Trading Standardsは消費者に対し、怪しいステッカー販売業者にだまされないように・・・と注意を呼びかけている。
たったの200円そこそこの商品なのだから、そんなに目くじらを立てるほどでもないように思える。
だが、ウォリックシャー州の消費者には、もともと地元の警察から「訪問販売お断り」ステッカーが無料で配布されて
いるし、地元のTrading Standardsからも同様なステッカーが提供されている。
これらの“権威ある公式ステッカー”に効果がないと主張する訪問販売員が有料ステッカーを売りつけたものだから、
たった1ポンドのステッカーでも看過するわけにはいかないのだろう。地元のTrading Standardsのノエル・ハンター
所長は、こう話している。
「そのステッカーを実際に確認しましたが、Trading Standardsや警察から支給されているステッカーとは異なり、
緊急時の連絡先情報も記載されていなければ、適切なアドバイスも記載されていません。それなのに1ポンドで
販売されているわけです」。
「訪問販売員の口車に乗せられてステッカーを購入した消費者がほかにもいるのではないかと心配しています。
この業者の身元特定につながる情報をお持ちの方がおられたら、ぜひご一報いただきたく思います」。
ハンター所長は、訪問販売員が「訪問販売お断り」ステッカーを無視してセールスを仕掛けたことも問題視しているが、
“何を今さら”な気がしないでもない。冒頭に書いたように、「訪問販売お断り」の意思表示をしている消費者に対して、
これほどアピールする訪問セールス商品はほかに考えられないからだ。
http://rate.livedoor.biz/archives/24305114.html