◇太陽光集め、レンズの役−−豊中で車両火災
豊中市内で15日夕、軽ライトバンの一部が燃える火災が発生、車内に置いていた
ペットボトルが太陽光を集める「収れん現象」が原因だったことが19日、同市消防本部の
調べで分かった。猫よけ用に屋外に置いたペットボトルがレンズの役割を果たして
出火するケースはこれまでに指摘されているが、車内に置いていたペットボトルが原因の
出火は珍しいという。
15日午後5時50分ごろ、同市庄内幸町4の駐車場で、軽ライトバンの荷台から煙が
出ているのを通行人が発見。同市消防本部が車を所有する防水加工業の男性(30)から
事情を聴いたところ、この日は休日のため、車はまったく使用していなかった。窓ガラスは
閉められて、ドアもすべて施錠されていた。
荷台には、防水溶剤の缶や掃除機が入った段ボール2箱があったが、箱の中は燃えた
形跡がなかった。段ボール箱上のタオルとはけが焦げ、ペットボトルと車の内装の一部が
溶けていた。ペットボトルと内装壁の距離は10〜15センチだった。
ペットボトルの焦点距離は一般に10センチ程度とされる。車は後部が西日を直線で
受ける角度に駐車し、ペットボトル付近が最も燃えていた。このため、同市消防本部は
「収れん現象以外に原因は考えにくい」としている。
収れん現象は、鏡や金魚鉢、ガラス玉などでも起き、凸レンズや凹面鏡の役割をして
焦点を結び、発火をもたらす。同市消防本部指令情報課は「日差しがどんどん強くなる
時期。近くに可燃物を置かないよう、注意してほしい」と呼びかけている。【阿部浩之】
引用元:毎日新聞
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/osaka/news/20050520ddlk27040526000c.html