病原体調査:保有施設の半数近くが管理マニュアルなし
厚生労働省は30日、全国の医療機関と試験研究機関などを対象に、SARS(重症急性呼吸器症候群)
やポリオのウイルス、コレラ菌など、生物テロに使用される恐れがある病原性微生物(病原体)の
管理状況を調べた結果、保有している施設のうち、半数近くが管理マニュアルがなかった、と発表した。
6施設は保管場所も把握していなかった。厚労省は、自治体に各施設の管理の徹底を指導するよう
通知する。
SARSなど個別の調査は過去にもあるが、病原体全体を調べたのは初めて。
調査対象1万1624施設のうち、587施設が病原体を保有。管理マニュアルは310施設であったが、
残り47%の277施設ではなかった。施設内で一元管理していたのは295施設。
保管場所を把握していない6施設はいずれも細菌類で、厚労省が事情を調査する。
保管されていた病原体で最も多かったのは赤痢菌(細菌)の543施設で、次いでチフス菌(同)の358施設。
SARSは5施設。保有は研究や治療などが目的。
政府の「国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部」は昨年12月、「テロの未然防止に関する行動計画」を決定。
厚労省は病原体の管理体制の確立が求められ、病原体を保有する場合、国や都道府県へ届け出を
義務付けるなどとする感染症法改正案を06年に国会へ提出する方針。
ソース
http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/science/news/20050331k0000m040130000c.html