患者の出産のため病院に急行していた当地の産科医がスピード違反で警官に止められ、抗議しても
聞き入れられず、手錠をかけられた状態で病院に向かう羽目になった。問題を重くみた警察は、この警官の
判断が不適切だったとして、16日間の無給の停職処分を言い渡された。29日、AP通信が報じた。
地元警察が28日に発表した内部調査結果によると、勤続15年のウィリアム・リリストン警官は昨年3月、
患者の分娩(ぶんべん)のため病院へ急行していたチディアック医師をスピード違反を理由に止めた。
医師は昨年3月、制限速度の時速25マイル(約40キロ)を10マイル超えた時速35マイル(約56キロ)で
バイクを走らせていた。
チディアック医師は「delivery (分娩)」に急いでいるのだと事情を説明したが、警官は「デリバリーって何を。
ピザか?」などと取り合わず、「あんたが医者だったらおれはミッキー・マウスだ」とからかったという。
リリストン警官は医師の話を確認するため病院に電話をかけ、医師をパトカーで病院へ連れて行ったが、
手錠をしたままだった。このころには赤ちゃんの分娩はすでに始まっていた。また病院到着後も警官は、
医師が術衣に着替えることを認める前に、運転免許証の提示を求めた。
チディアック医師は、手錠が外された15分後に赤ちゃんを取り上げた。
リリストン警官は、バイクの停止を求めた時に医師がすぐに指示に従わなかったと説明。出産後、医師に
スピード違反の切符を切った。
住民監視委員会が4月、問題を審査する予定。リリストン警官の上官の警察署長は、チディアック医師が
すぐにバイクを路肩に寄せ、免許証を見せるべきだったと主張。このため、リリストン警官の処罰は
これ以上重くする必要がないと話している。
http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200503300006.html