フレデリック・ジョン・バードン(51歳)は、豪州サンシャインコーストで名の知れた人物だった。
地元ヌーサで会社を経営する傍ら、ロータリークラブの会長を努めてきた。
そして、ヌーサ商工会議所の副会長にも就任した。
そんなエライサンであるにもかかわらず、彼は“Aussie Sugardaddy”というハンドル名で
インターネットのチャットルームに出入りしていた。
このハンドル名、“砂糖のように優しいオーストラリア人オジサン”という意味にも読めるが、
実はsugar daddyというのは“女の子を援助してあげるオジサン”の意味なのである。
そして、ある日、彼は自分にとって理想的な相手を見つけた。
彼女のハンドル名は“Angela is_13”(アンジェラ13歳)だった。
13歳の少女であることをハンドル名が物語っていた。バードンは、アンジェラにパーソナルな質問をした。
おそらく「どこに住んでるの?」とか「うんと年上の男性は好き?」とか聞いたのだろう。
そして、勃起している自分のペニスの写真をアンジェラに送信した。
さらに、ブリスベンのマクドナルド店でアンジェラと会う約束を取り付けた。
そのままアンジェラを車に乗せ、二人きりになれる場所に連れ込む算段だった。
しかし、アンジェラは実在しなかった。警察の秘密捜査官が13歳の少女に成りすましていたのである。
チャットや出会い系メールでは男が女に成りすます“ネカマ”が多いらしいが、警官が未成年者に
成り済ましていることもあるわけだ。
秘密捜査官がアンジェラに成りすましていたのは、チャットや出会いサイトで未成年者を誘い出す
大人を大々的に摘発するキャンペーンの一環だった。
商工会議所副会長バードンは、期待に胸を膨らませて現れたマクドナルド店で逮捕されてしまった。
狼狽したバートンは、その場で次のように弁解した。
「え? こんなことが法に触れるとは知りませんでしたよ。第一、私はまだ何もしていないじゃないですか。
だいたい、私はそんなことする人間じゃない。あくまでファンタジーですよ」。
彼は、長年築き上げてきた自分の社会的地位と信用をすべて失ってしまった。
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