ドイツ北部にあるブレーマーハーフェンの市営動物園で、飼育しているペンギンに
雄同士の同性ペアが見つかった。「雄と雌のバランスが悪い」と考えた同園は、
雌を倍に増やしてみたが、ペアは離れようとしない。「同性愛の可能性もあるが、
とても仲良しなので温かく見守っていく」という。
独紙ターゲス・ツァイトゥングなどによると、ペンギンはフンボルトペンギン。14羽
のうち5組のペアができた。卵を産まない組があったので、DNA鑑定で性別を調
べたら、3組が雄同士だった。ペンギンは雌雄の区別が難しく、見ただけではよく
分からないという。新たに雌4羽を増やしたが、3組の雄同士は離れようとせず、
雌とも接触しない。「雄・雌」ペアと同じように巣穴をつくり、侵入者を威嚇。互いに
おじぎや首ふりなどのしぐさを見せ、交尾もしようとするという。
欧米などの動物園で同性ペアが確認されることは少なくない。5組のうち3組が同
性ペアだったことに同園は注目。行動や飼育環境などを多面的に研究する方針だ。
動物の同性愛などについて研究する米国の生物学者ブルース・ベージミルさんは、
「ペンギンの同性ペアも不思議ではない。同性ペアの鳥が繁殖時に一時的にペア
を離れ、元通りになった事例もある。動物の世界も『同性愛』が自然な感情と考え
られるのではないか」という。
同園には同性愛者らからペアを引き離さないように求める電話やメールが殺到。
キューック園長は「ペアの仲を引き裂くようなことは絶対にしない」と説明している。
http://www.asahi.com/science/update/0220/002.html