神戸市西区で02年3月、大学院生浦中邦彰さん(当時27)が
元暴力団組長らに車で拉致され、集団暴行を受けて殺害された事件で、
兵庫県警が適切な捜査を怠ったとして、浦中さんの母親(64)が
県と元組長らに約1億3700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が
22日、神戸地裁であった。
村岡泰行裁判長は県警の対応について「著しく不合理で、違法性を帯びる」
と述べたうえで、捜査を怠ったことと浦中さんの死亡に因果関係を認定。
県などに約9700万円の支払いを命じた。
警察官の捜査権限の不行使を「捜査の怠慢」とみなして
違法性を認定したもので、警察の実務にも影響を与えそうだ。
判決はまず、警察の初動対応について、
110番通報の内容などから、事件の危険性を認識できたのに、
現場から約60メートルの交番で仮眠中の警察官を現場に行かせず、
6キロ離れた交番から派遣した
▽パトカーは途中までサイレンを鳴らさず、
本来なら約9分で到着すべき距離に約17分かかった、
と指摘した。
現場での対応についても、職務質問が不十分だったなどと不備を指摘。
友人から浦中さんが連れ去られた可能性があると聞きながら、
現場から立ち去ったと判断したことについては
「合理的だったとは到底いえない」とした。
警察官らの権限不行使について
「組織としての対応のまずさを如実に物語り、著しく不合理で、
違法だと解せざるを得ない」と言及した。
その上で、警察が適切に対応していれば、浦中さんを発見し、
保護することが可能だった、と指摘。
通報内容や現場の状況から、浦中さんが元暴力団員に連れ去られることで
さらなる暴行を受け、死亡することも十分予見できたとして、
権限の不行使と浦中さんの死亡に因果関係を認めた。
被害が生じた理由については
「市民の生命身体を守るべき警察官の対応が不適切で、
救いを求める被害者に救護の手が及ばなかったことが大きな要因」
と判断。元暴力団組長らと同等の賠償責任が県にもあるとした。
県警側は「殺害に至る危険性を認識できる状況にはなかった」などと主張したが、
判決は「暴力団が加わっており、加害の危険性の高さは容易に想像できた」と退けた。
引用元
http://www.asahi.com/national/update/1222/024.html 依頼ありました
http://news16.2ch.net/test/read.cgi/dqnplus/1100618133/852