秋田市などで冬期間も素足で通学する「ナマ足」の女子中高生が減ってきた。
昨年度以降、各校が校則を改正し、これまで禁じていた黒のタイツやストッキングの着用を認めたり、校則で着用を義務付けた
ところ、着用者が増えたのだ。
風紀上や健康面から学校、市民から問題視されたナマ足も、「おばさんっぽい」膨張色・肌色のタイツを嫌った乙女心の表れ
だったのか―。
秋田市の秋田北高は昨年度校則を改正し、以前から明記していた肌色に加え、黒のタイツ着用を許可した。
従前の肌色限定は服装の統一を目指した規定だったが、「格好悪い」「太って見える」などの理由で着用する生徒が1割にも
満たず、ナマ足の誘因になっていると判断した。
改正後の着用率は約8割に急上昇。着用者ほぼ全員が黒タイツ派だ。
本年度は既に半数ほどの生徒が着用している。
先月から黒いタイツをはいている2年生は「素足がどれだけ無防備だったか分かった」と、防寒効果を実感。
一緒に下校中のナマ足の同級生も「もっと寒くなったらタイツをはく」と話す。
同市の和洋女子高も、昨年度から肌色のタイツに加え11月―3月は紺色のハイソックスと黒のストッキング着用を許可。
昨年度は着用者は少なかったもの、本年度は増加傾向にあるという。
「格好いいから」「しまって見えるから」というのが黒タイツ着用の共通した理由。
県教育庁高校教育課が平成14年から「心・姿・ふるまい・さわやか高校生運動」の一環として推進してきたナマ足追放指導は、
黒タイツという思わぬ“特効薬”の出現で急激に改善に向かった。
黒タイツ着用の波は中学校にも及んでいる。
秋田市内では、昨年1月に校則で黒タイツ着用を義務付けた上新城中をはじめ、太平、豊岩、下北手の4校で、タイツなどの
着用率が100%となった。
同市教育委員会学校教育課は「生徒会や学級の話し合いでナマ足問題を取り上げるなど、生徒側の意識も高まってきた」と話す。
男鹿市の男鹿南中は本年度、雪が降り始めた時点でタイツやストッキングの着用を義務付ける。
生徒には10月の衣替えの際に説明済みで、目立った反発はないという。
同市の他の中学校も「保健便り」や集会で指導を続けている。
<写真:下校中の女子高生。ナマ足に代わって黒タイツ着用者が増えてきた=JR秋田駅前>
http://www.sakigake.jp/servlet/SKNEWS.News.kiji?InputKIJICODE=20041202d