磨いている靴を客がはいているまま火を付ける、今まで聞いたことも見たこともない新たなノウハウ
を持つ靴磨き人がサンパウロ市で賑やかなアベニーダ・パウリスタに登場し話題となっている。
アレモンのニックネームを持つ靴磨き人(六二)はもうその手法を三十四年間も用いている、
と言っている。
覚えたのは南リオ・グランデ州のリオ・グランデ市の皮革なめし工場で働いていたとき。
本物の火を通した靴はピカピカになりひと月半は大丈夫。その物理は余りむずかしいものではない。
「お客さん、あなたは走ったり、きつい仕事をすると汗が出るでしょう。気孔が開いて汗が出る、
この靴磨きは反対で気孔が開いた時に靴磨きのグリースや塗科が入り込むわけで...」と説明。
しかし、火をつけるまで靴は入念に掃除し、今まで塗られていた物質を取り除く。そして火を入れる
までの使用材料やノウハウは誰にも教えない。
「じゃ、人造皮は気孔がないからダメだな」と反問するとその通り、ある時は余りにも本物そっくりの
人造革なので見誤まり、女性用ハンドバッグに火をつけたところすっかり縮れ上がり恐縮して弁償した。
この靴磨きの火は瞬間的に消えるので靴を足につけていてもスネが丸焼きになるようなことはない、
とか。一足の標準料金十レアル、目下、アベニーダ・パウリスタのコンジュント・ナショナル付近で
営業中。見物するだけでも十レアルの興行的価値があるかも知れない。
引用元:サンパウロ新聞 04/10/16
http://www.spshimbun.com.br/content.cfm?DA_N_ID=12&DO_N_ID=4592