三十四年前、人権擁護キャンペーンに使われたプロによる漫画のうち十二枚が、七月三十一日、
石巻市社会福祉協議会ロビーに展示された。
子どもの人権専門委員制度の制定(一九九四年八月)にちなむ企画として、石巻人権擁護委員
協議会(佐々木まさえ会長)が主催した。おおさわ匡さん、柴田達成さん、長谷川ススムさんら
昭和の漫画ブームを支えたプロたちの原画を復刻して額に入れたものを同協議会が借りて飾った。
いずれも一コマ漫画。会社の上司が結婚した女性に退職を迫ったり、親が子どもをせっかん
しているシーン、週刊誌に無断で自分の写真を掲載され驚いている様子などが風刺を込めて
描かれている。虐待、プライバシー侵害などの社会問題を訴えており、訪れた人たちは「今の時代も
使える作品だね」と話しながら眺めていた。
原画は全部で六十七枚ある。七〇年、全国人権擁護委員連合会長だった佐藤邦雄さん(岩手県
出身)が「東北でのキャンペーン用に」と制作費百万円を寄付し八人の作家に依頼。
石巻でも展示された。その後、長年しまわれていた仙台法務局で昨年発見され、傷みが激しい
ものを除き三十枚を修復、再び各地に貸し出されている。
http://www.sanriku-kahoku.com/news/2004_08/i/040801i-jinken.html 引用元 石巻かほく