照り付ける太陽の下、懸命のプレーを続ける高校球児たち。
その中でもひときわ大きな家族の愛に支えられた選手がいる。
所沢商のエース菅原良明君(18)は、十三人兄弟の下から三番目。
二十五日の準々決勝では両親と兄弟九人、おい、めい合わせて二十人を超える
「家族応援団」が駆け付けて熱い声援を送った。
良明君は期待に応えて好投し、チームを準決勝に導いた。
身長一六七センチの七男が、大家族の大きな夢をしっかりと背負っている。
準々決勝の浦和実戦。良明君は三試合連続で先発のマウンドに登った。
父親の昌雄さん(59)は「きょうも落ち着いてるね」。その言葉通り良明君は一回の相手の攻撃を三人で終わらせた。
良明君がボールを握ったのは物心つく前。
兄弟のうち男の子七人はみんな野球少年という野球一家。
自身も四人兄弟という昌雄さんは「兄弟が多い方が楽しいし、子どもたちも伸び伸び育つ。
大人数の家族をつなぐのが野球だった」と振り返る。
良明君の野球センスは「兄弟の中で一番いい」(昌雄さん)。
良明君とキャッチボールをしていたという三女の陽子さん(23)は
「中学三年生ごろから球が速くて受けられなくなった」。
母親のいく子さん(51)は「下の子たちに関しては、兄弟が育ててくれたようなもの」と笑う。
野球の技術と強い精神力は、兄弟たちとの暮らしの中ではぐくまれた。
家族は甲子園出場に懸ける良明君を温かく支える。二十四日は良明君の十八回目の誕生日だった。
スタミナを付けてもらおうと、家族が集まってステーキを食べて祝った。
野球の名門所沢商をに進学した時は、通学しやすいように学校のそばに一家そろって引っ越した。
http://www.saitama-np.co.jp/news07/26/11s.htm