★痛み:血中マグネシウムに関係 痛がりの人は濃度低く
人より強く痛みを訴える「痛がり体質」の人は、そうでない人に比べ血液中のマグネシウム濃度が
低いことが済生会神奈川県病院の調査で分かった。「痛がり」は従来、心理的なものと考えられていた。
マグネシウムは痛みを伝える神経の働きを抑制する作用があり、「痛がり」の人はその働きが落ちている
と見られる。慢性的な痛みの治療や予防につながる成果で、東京都内で開催中の日本ペインクリニック
学会で17日発表する。
同病院整形外科の田島康介医師らの研究チームが調査した。03年5月から12月にかけ、骨折などで
手術を受けた入院患者74人を対象にした。
(1)骨折後、骨がつながったのに痛がる(2)交通事故後、長期間首が痛いと訴える(3)X線撮影で
異常がないのに長期間鎮痛剤を服用している−−などの条件に合う患者を、整形科病棟に勤務する看護師
12人に選ばせた。9人以上が条件に合うと判断した患者を「痛がり」と分類した。
「痛がり」とされたのは21人(14〜89歳)で、それ以外は53人(12〜96歳)だった。性別や
年齢構成に差はなかった。一般的な血液検査項目のほか、血液中のカルシウム濃度などを比べた結果、
マグネシウムだけ明らかな差が出た。「痛がり」群では1リットル当たり20.7〜25.5ミリグラム
(平均23.2ミリグラム)に対し、それ以外の群では1リットル当たり21.9〜30.4ミリグラム
(同25.6ミリグラム)だった。
田島さんは「患者の血中マグネシウム濃度を管理すれば、痛みの緩和に役立つ可能性がある」と話している。
毎日新聞 2004年7月17日 15時00分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/medical/news/20040717k0000e040069000c.html