アリゾナ州ツーソンの有名な観光牧場「タンケ・ヴェルデ・ゲストランチ」で、
昨年7月から9月の間に、少なくとも20頭もの馬が喉を切り裂かれるという事件が起きた。
犯行が行われるのはいつも人気のない深夜。傷は全て、致命的な頚動脈のすぐ近くで、
深さ2、3センチで長さは、3〜10センチほどでギザギザに切り裂かれていた。捜査当局は、
病的な動物虐待者の犯行とみて、事件を南アリゾナ動物虐待特別捜査班に捜査を委任した。
牧場側も犯人逮捕につながる情報に3500ドル(約37万円)の懸賞金をかけた。
しばらくして事件は意外な解決をみた。なんと、同牧場の警備をしていた関係者が、
飼っている1頭の馬が別の馬の喉笛に噛みついているところを目撃したのだ。
馬がこんなに執念深く、別の馬を襲うだろうか?訝しく思いながらも、その馬を別の柵に
隔離したところ、切り裂き事件はピタリとおさまった。やはり下手人(?)はその馬だったのだ。
同じくツーソンで牧場を経営しているラッセル・トゥルーさんは、驚きをこう語った。
「これは馬としては異常な行動だ。極めてまれなケースだと思う。誰も、獣医も牧場経営者も、
誰ひとり、馬がこんなことをするなんて想像もしなかったんだ。馬だって時には攻撃的になります。
噛んだり、蹴ったり、身体をぶつけたりする。馬の集団にも序列があります。でもこの事件が
馬の仕業とは信じられない。首尾一貫しすぎてますよ。」
アルマラー・アラブ種飼育場(Al-Marah Arabians breeding farm)のマネージャー、
ジェリー・ハミルトンは、馬が犯人であることはありうると言う。
「同じ場所を繰り返し噛み裂くというのは、非常に攻撃的な行為です。おそらくその馬は
邪悪な馬なのです。その馬は、一目のない時を狙って犯行に及んでいる。もっとも馬の脆弱な部分、
喉を狙ってね。相手が反撃できないことを読んでいたんです。でも、生まれながらに邪悪な馬というのは
いないんですよ。多分、子供の頃に狭いところにスシ詰めにされるようにして飼われ、
攻撃的な性質を獲得していったのでしょう。」
(以下略)
http://www5.big.or.jp/~hellcat/news/0406/28a.html