勇壮な「追い山」で知られる博多祇園山笠(七月一日―十五日)の準備が一日から、本格的に始まった。
今年は戦後から山笠を支えてきた「博多祇園山笠振興会」(後藤久義会長)の創立五十周年。
この日解禁された山笠の正装「当番法被」に袖を通した男たちは、節目の年のヤマに向けて気合も充実していた。
走る飾り山の八番山笠・上川端通は同日朝、福岡市博多区築港本町の櫛田神社浜宮で
各山笠のトップを切って「棒洗い」をした。
山笠の台を組み立てる前に舁(か)き棒を洗い清める神事。
梅雨の晴れ間がのぞく中、杉丸太の棒六本に博多湾からくみ上げた海水をかけ、
法被姿の約二十人が荒縄で力強く磨いた。
同山笠の総責任者、平田政広総務(64)は「ヤマの季節が来ると身も引き締まる」とりりしい表情だった。
この日は、三番山笠・恵比須流が山小屋(山笠の格納庫)の建設場所を清める
「注連(しめ)下ろし」、六番山笠・東流も山笠の台などの材料一式をおはらいする「小屋入り」の神事を行った。
午後からは、毎年恒例の博多祇園山笠振興会の総会が開かれ、
舁き山七流や飾り山の総務ら約百人が当番法被で櫛田神社(博多区上川端町)に集合。
行事日程などを打ち合わせた後、記念の年の山笠の成功を「博多手一本」で誓う。
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