焼酎がブームを呼ぶなか、「幻の焼酎」とも言われる鹿児島県の芋焼酎「森伊蔵」の偽造ラベルを
はり付けた偽物をインターネットのオークションで販売したとして、大阪地検特捜部は9日、大阪府
八尾市の自営業、丸野義徳(48)と鹿児島県内の無職郡山猛(47)、福岡県筑紫野市内の蕨野彰
(45)の各容疑者を商標法違反と詐欺などの疑いで逮捕した。
森伊蔵は生産本数が限られ、入手が難しいことからオークションなどではプレミア付きの高値で
売買されており、特捜部は3人が、こうした人気を狙って偽物を売りつけていたとみている。
調べによると、3人は鹿児島県垂水市の蔵元「森伊蔵酒造」が商標登録している森伊蔵の偽物の
ラベルを使って、1・8リットルの一升瓶に張り付けたうえ、中には別の焼酎を入れ、3本セット(約
8万6000円)で、インターネットのオークションに出品して販売するなどした疑い。
これまでオークションで数十本が売れたという。
特捜部は、3人が森伊蔵の人気を悪用し、偽物を大量に生産した疑いがあるとみて追及する。
森伊蔵酒造は1885年創業の老舗。森伊蔵は、店頭ではほとんど販売されていないため、一般
消費者が購入するには、月1回の電話による抽選に応募しなければならないが、毎回申し込み
が殺到している。
定価は送料込みで約3000円だが、品薄状態が続いていることから、インターネットオークション
では、1本2万8000円前後で販売され、中には1本約4万円のケースも。昔ながらの「かめつぼ
製法」で作られ、「まろやかな味で、イモ特有のにおいもない」と人気を呼んでいる。
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20040509i314.htm