サッカーJ1・ジェフ市原の新本拠地として建設中の球技場に、千葉市が「命名権」を導入、
4月5日から獲得スポンサーを募集したが、同月23日の締め切りまでに獲得を申し出る企業は
なかった。
サッカー・ワールドカップの決勝戦会場となった横浜市の横浜国際総合競技場も同様の
試みを行ったが、スポンサーが現れないまま1年近くが経過。多くの地方自治体が財政難に
苦しむ中、静岡、大分両県なども導入を検討するが、日本では、まだ一般的でなく、今後も
難航する例が相次ぎそうだ。
国内でのスポーツ施設の命名権売却は、「味の素スタジアム」(旧東京スタジアム)と
「ヤフーBBスタジアム」(旧グリーンスタジアム神戸)の2例があるが、千葉市の場合は、
この2例と異なり、完成前から命名権を販売する全国初のケースで、新築施設に命名できる
点が大きなセールスポイント。
従来から使用している市原臨海競技場と併用というマイナス面もあるが、千葉市は
「2チームが本拠とする『味の素』の半額は欲しい」と、希望額を1億2000万円以上と
決定。芝生の管理など施設の年間維持費約1億6000万円の75%を賄う考えで募集を行った。
しかし、現実は厳しい。横浜市の場合、昨年5月末から「年5億円程度で5年間以上」の条件で
募集を始めたが、関心を示した企業との交渉も不調に終わり、現在も新たな打診待ちの状態。
横浜市は「W杯決勝の舞台の価値がある」と値下げはしないが、「法外な提示に(企業側が)
二の足を踏んでいるのでは」との声も上がっている。
千葉市の場合、競技場の実績がないことから、割高感があったことに加え、広告代理店などの
「プロ」を間に挟まずに交渉を進めようとしたことがマイナスに作用した面もあった。問い合わせて
きた企業はあったものの、職員が交渉ごとに慣れていないこともあり、正式な協議にまで
持ち込むことができなかった。
それでも、千葉市総合スポーツ公園整備室の村田直昭室長(54)は「素人だからこそ
思い切ってやれる。失うものはない」と、募集を延長して今後も粘り強くセールスを続ける覚悟だ。
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