世界初のリニアモーターカーの営業路線となる上海リニアの集客能力に
疑問の声が上がっている。先月29日から一般乗客を対象とした終日試運転を
始めているが、平日の平均乗車率が約17%と低迷しているためだ。
宣伝不足、高価なチケット価格設定などが原因と見られ、正式開業を前に
今後、営業体質の改善を求める声が強まることは間違いなさそうだ。
■平日の利用はたったの4,000人
上海リニアは同市の浦東国際空港と地下鉄竜陽路間の約30キロを8分で結ぶ。
今年初めにも正式に営業運転を行う予定だったが、未だに正式開業の日程は
発表されていない。先月29日からは運行時間を毎日午前8時半から午後5時半まで
拡大し、一般乗客を対象とした試運転を実施。約20分間隔、1日57本が運行されており、
開業に向けた最終調整が行われているものと見られている。
8日付東方早報によると、先月29日から10日間の平均乗客数は平日で4,000人、
週末で8,000人程度。5両編成の定員を450人とすると、1日延べ2万4,000人を
収容できることになり、平日の乗車率は6分の1(16.7%)にしかならないという。
■高いチケット、宣伝不足深刻
利用者が少ない原因の一つとして乗車券が高いことがある。
片道75元の料金は、浦東国際空港から市中心部までの
空港バス料金(18元)に比べ割高。さらに上海リニアは
浦東地区までしか伸びておらず、市中心部まで行くには
さらに地下鉄やバスなどに乗り換える必要がある。
また、リニア内には大きな荷物を収容するスペースがほとんど無く、
「海外客など荷物の多い空港利用者にとっては
不便な交通手段」(日系企業関係者)との声も。
■正式運転前にはサービス改善?
こうした「営業力不足」を指摘する声を受け、リニアを運行する
上海磁懸浮交通発展有限公司は、正式開業を前にサービス改善に
乗り出す方針を打ち出した。まず、空港当局との協力を強化し
宣伝・サービス面での向上を目指す。さらにチケット価格については
今後、利用回数の多い客に対する特別料金を設定したり、
家族チケットなどの特別乗車券を販売して利用者増を図る予定だという。
【ソース】
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040409-00000037-nna-int