ねじめ正一さんや灰谷(はいたに)健次郎さんら計33人の作家や詩人が、大手の中学進学
塾やインターネット配信会社計5社を相手に、「市販もされている塾教材やインターネット上の
問題集で作品を無断使用され、著作権を侵害された」として、塾教材などの出版、販売、送信
の停止を求める仮処分を11日、東京地裁に申し立てた。
塾教材の出版、販売、譲渡の停止を求められたのは▽首都圏を中心に中学進学教室を経営
している「株式会社日能研」(横浜市)と、その教材を制作、販売する「みくに出版」(東京都
渋谷区)▽関東一円に中学進学塾を運営する「株式会社四谷大塚」(同中野区)と系列の「四谷
大塚出版」(同杉並区)の2グループ。
送信停止を求められたのは、「みくに出版」と受験教育情報の配信事業を手がける「インター
エデュ・ドットコム」(同新宿区)。
申立書などによると、2つの進学塾グループは独自に教材を作成し、一部は市販もしているが、
計40の塾教材の中で、ねじめさんの「鳩を飛ばす日」、灰谷さんの「兎の目」など70作品を
92か所にわたって無断使用しているという。
また、ネット配信会社2社は、作家の作品が引用された中・高校の入試問題や解答、解説を
ホームページに掲載したり、作品を引用した模擬試験問題を作成したりしていた。無断使用は
25作品、32か所に及ぶという。インターエデュ社は閲覧無料だが、みくに出版は登録者から
1校あたり50円から80円の閲覧料金を取っている。
作品の無断掲載が訴訟に発展した例としては学校用教材があるが、学習教材会社が作家
への損害賠償や副教材の出版差し止めを命じられるケースが相次いでいる。(読売新聞)
(引用元)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040311-00000106-yom-soci