那覇市のラムサール条約登録湿地・漫湖が、マングローブ拡大と土砂堆積(たいせき)で
干潟面積が減り、水鳥の減少につながっているとの初の現況調査を、県がこのほどまとめた。
漫湖のマングローブは1990年代に緑化運動の一環として植えられたヒルギが急速に増殖。
77年以前の0・47ヘクタールから2003年には8・31ヘクタールと26年で約18倍になった。
土砂も10年前から年間で最大1・7センチメートル堆積するなど“陸地化”が進み、水鳥の
餌場となる干潟の減少が続いている。
(中略)
マングローブはもともと漫湖には少なく、1989年までは面積約0・72ヘクタールだった。だが、
緑化や水質浄化などを狙いに92年から98年にかけて5回計0・814ヘクタールに
「市民団体などが植林。」93年完成のとよみ大橋が川の流れを変えたことも影響して、
とよみ大橋北岸を中心に約10倍の面積に広がり、現在は漫湖の12%に当たる8・31ヘクタールを
占める。マングローブの拡大がさらに土砂の流れを阻み、マングローブが広がりやすくなる悪循環を
生んでいる。
(中略)
◇<ニュース用語>漫湖
国場川と饒波川の合流域にある干潟で約67ヘクタール。渡り鳥の重要な中継地で、1999年には、
世界的に重要な湿地を保全するためのラムサール条約に西日本で唯一登録された。
http://www.ryukyushimpo.co.jp/news01/today/040306c.html