タリバーン政権時代に迫害を受けたとして来日したアフガニスタン国籍の男性が、法相による
難民不認定処分の無効確認などを求めた訴訟の判決が26日、東京地裁であった。
藤山雅行裁判長は、
「帰国すれば迫害の危険があり、難民に該当するにもかかわらず
見過ごした法相の不認定処分には重大な瑕疵(かし)がある」
と述べ、処分を無効とし、退去強制処分を取り消した。
難民不認定処分を取り消すだけでなく、重大な違法性を理由に無効とする判決は初めて。
判決によると、男性はイスラム教シーア派に属するハザラ人。同スンニ派のタリバーン勢力から
迫害を受けたとして01年に来日し、難民申請をしたが、東京入国管理局は「男性は中古車部品
販売のために6度の来日歴があり、商売のために仲間と組織的な不法入国を図った」とみて収容。
法相も難民と認めなかった。
藤山裁判長は、迫害を受けたという男性の供述は、欧州各国の調査報告書などによって裏付け
られ合理的だと判断。国側が裁判の過程で「組織的な不法入国と裏付ける証拠はない」と認めた
点を重くみて、「確たる証拠もなしに、就労目的の入国と即断したのは不当だ」と厳しく非難した。
〈法務省入国管理局の話〉主張が認められず残念。判決内容を検討して控訴するかどうかを決めたい。
http://www.asahi.com/national/update/0226/042.html