菖蒲町の八十二歳の主婦が足の不自由な夫のために入浴介助器具を購入した。
しかし、うまくいかない。若い教師時代、家庭科担当だった。
戦後の物不足の時代に、子どもたちと一緒に「身近な発明」に励んだ。
その時の熱い思いが蘇った。「なんとかじいちゃんをお風呂に入れてやりたい」。
その一心で、考案したのが物干し竿を利用した「入浴鉄棒」。
これが大正解。久しぶりに自力で湯船につかった夫は「アー、心がゆったりする」。
主婦は「それを聞けてわたしもほんとにうれしい」。
この人は同町三箇の大熊ハツさん。高齢の夫、信吉さんが二年前に股関節を手術。
両足が上がらなくなり、またいで浴槽に入れなくなった。
しばらくはタライや子ども用プールとかで代用していたが、町役場福祉課に相談して、
イスと手すりがセットになった介助器具を購入した。
だめだった。左手だけで支える手すりでは、ふらふらして風呂をまたげない。
それから考えた。左手だけでなく、右手でつかまる物があれば、体が安定して足が上がるのではないか。
▽大発見
そこで発見したのが庭先にあるステンレスの物干し竿。風呂の幅に短く切り、
湯船の上に渡して運動用の鉄棒みたいにしてみよう。
「両腕で鉄棒をしっかり握ると体が安定した。足が持ち上がって、
自分でまたいで入れた。主人は立ったりお湯の中に入ったりして運動を始めたんです。私も、ほんとにうれしかったですよ」
鉄棒を切って針金で縛るのは、孫の紀之さん(20)がやってくれた。
巻いた針金の上には、手にけがをしないようにと、ビニールテープをたくさん巻いた。
「孫は大学の建築科の二年生。暇だと主人を車イスに乗せて、近くの用水べりに散歩に連れて歩いてくれる。
おじいちゃんにはこの孫がかわいくって、うれしくって、もう大変なんです」
(中略)
今月七日、信吉さんは入院した。ハツさんは毎日看病に通い、早く自宅の風呂に入れるように、と祈っている毎日だ。
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記事の引用元
http://www.saitama-np.co.jp/news02/01/02l.htm (画像あり)
埼玉新聞 Web埼玉
http://www.saitama-np.co.jp/ 記者コメント:
>今月七日、信吉さんは入院した。ハツさんは毎日看病に通い、早く自宅の風呂に入れるように、と祈っている毎日だ。
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ちなみに画像は「ばあちゃん」