カプコンパワーハラスメント事件提訴のご報告2012年03月27日
弁護士 山 室 匡 史
2012(平成24)年3月13日、株式会社カプコンを相手取り、従業員の地位確認とパワーハラスメントを理由とする
損害賠償請求を求める訴訟を提起しましたので、弁護団を代表し、ご報告致します。
事案の概要
(1)
株式会社カプコンは、主としてコンピューターゲームソフトの製造販売を行っている株式会社で、
多数の人気ゲームソフトシリーズを有するゲーム業界でも屈指の大手企業です。
原告は、20代の女性ゲームクリエイターであり、他の大手ゲームソフト制作会社での勤務を経て、
平成21年5月16日に正社員としてカプコンに入社しました。
原告は、入社後数ヶ月の間、社内にある複数のゲーム開発チームに派遣された後、平成21年9月には
「ドラゴンズ・ドグマ」というゲームの開発チーム(以下「DDチーム」と言います。)に配属されました。
(2)
その後もしばらくは順調に業務についていたのですが、平成21年12月ころに、原告より年齢が高く経験も長い女性従業員が
「DDチーム」に配属されてから、状況は変わり始めました。この女性従業員は、ことある毎に原告を長時間にわたって叱責したり、
会議で原告のみを叱責したり、実現不可能な業務指示を出すなど、理不尽な振る舞いを繰り返しました。
時期を同じくして、社内で、原告がトラブルばかり起こしている人物であるという悪い噂が立ち始めました。
そのため、原告は、「DDチーム」内で孤立しはじめ、大きな精神的苦痛を感じるようになり、次第に体調を悪化させていきました。
http://www.minpokyo.org/journal/2012/03/1404/