これでは「信用ゼロ」となりかねない・ソフトバンク、手痛い誤算
この週末に起きたソフトバンクモバイルによる番号ポータビリティー制度(MNP)のシステム障害。
まさに10月26日の「端末代ゼロ円」という同社の「6つめの予想外」に続く、「7つめの予想外」となってしまった。
さらにソフトバンクモバイルの週末の対応を振り返ると疑問が残る。
同社では「MNPのポートアウト(転出)に対する要求に応えることができず、受付を停止せざるを得なかった」と弁明しているが、
その一方で新規契約の受付は継続し続けた。MNPに関する手続きも新規契約受付も同じシステムを利用しているという。
もし、業界全体の混乱を避けようと思うなら、すべての受付業務を停止し、一刻も早く、
MNP関連のシステム復旧に努めるべきではなかったのか。MNPでのユーザー流出を「システム障害」というかたちで阻止し、
一方で新規契約者をとり続ける。このあたりの行動が、「わざとシステムを止めて、新規で数を稼いでいるのではないか?」と、
他キャリアに疑いを持たせることにつながっている。
また、30日の釈明会見では、MNPのポートアウトがシステムダウンの原因であるにも関わらず、
「予想外割に人気が集中した」という理由にすり替えようとしていた。また釈明会見の場でありながら、
料金値下げの発表をして、帳尻を合わせようとしたのも、マスコミの集中砲火を浴びる原因でもある。
通話料、メール代、端末頭金を「ゼロ」にして注目を浴びたソフトバンクモバイル。
しかし、今後もトラブルが頻発するようなことが起こると、同社に対するユーザーの信用も「ゼロ」になってしまうかもしれない。
スタートでつまずき、「安かろう悪かろう」の企業イメージを返上するには、かなり時間と努力が必要になってくるだろう。
http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=MMIT0f000001112006