インターネットで著作権のある映画や音楽がファイル交換ソフト「Winny」を
使って不正にやり取りされ問題になっていますが、誰が不正をしているか特定できる
新たなプログラムが開発されました。国内の著作権保護団体は、不正を根絶する
切り札になるとして利用を始めることになりました。
ファイル交換ソフトの「Winny」をめぐっては、映画や音楽などがインターネット上で
大量にやり取りされ、著作権法に違反するとして問題になっていますが、「Winny」は
暗号を使っているため、誰が不正なやり取りをしているのか特定しにくく、決め手となる
対策はありませんでした。
今回アメリカの情報セキュリティー会社が開発したプログラムは、映画や音楽などの
ファイル名を入力すると、「Winny」の暗号を解読しながらネットワークを検索し、
ファイルがあるパソコンのアドレスをすべて表示する仕組みになっています。
つまり、誰が著作権のある映画などを不正にやり取りしているかを突き止めることが
できるのです。プログラムは著作権保護団体に限って提供され、これまでに、
日本国際映画著作権協会とコンピュータソフトウェア著作権協会が来月以降利用し始める
ことにしたほか、JASRAC・日本音楽著作権協会も利用する方向で検討しています。
また、国内のインターネットプロバイダーでつくる団体は、すでに協力することを
決めており、著作権団体から要請があった場合、パソコンのアドレスから利用者を特定し、
ファイルの削除を求めることにしています。著作権保護団体では「これまで匿名で行われて
いた不法行為が白日の下にさらされることになり、抑止効果が働くと期待しているが、
悪質な不正については刑事告発をしていく」と話しています。
インターネットでは、最近「Winny」とほぼ同じ機能を持つ「Share」と呼ばれる
ソフトの利用も増えていますが、今回のプログラムは、近く「Share」にも対応できる
ようになるということです。
http://www3.nhk.or.jp/news/2006/06/09/k20060608000161.html http://www3.nhk.or.jp/news/2006/06/09/d20060608000161.html