あなたの心がすさむとき 【31】

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今、めちゃめちゃはまってるマンガがある。
そのマンガの作者の絵柄、はっきり言って嫌いだった。雑誌に
掲載され始めた頃、「うわ、キモッ」と思ったんだ。その後でアシに
いった先の先生もその漫画家の作品嫌いだったらしくて、
話があって「キモイよねー」とあざ笑ってしまったんだ。だって、
仕事で泊まってる間に編集部から送られてきた雑誌に丁度載っていた
作品がまたいつもに輪を掛けてキモくて……
それが先日、たまたま本屋で新刊コーナーみたら、何年か前に
短編を読んで、やっぱり「キモい」と思って読み捨てた作品の何巻目
かがあった。
「え、あのマンガ、短編じゃなかったっけ、何時の間に連載してた
んだ……すると人気あった訳?あんなキモいのに?」
暇だったのと、好奇心と、たまたま金もっていたのとで、ついうっかり
買ってしまった。
はまってしまった。
なんてこった。
買った日から何度も何度も繰り返し読み、ていうか、家にいる間中、本を
手から離す事ほとんどなし。
嫌いだった筈の絵柄がめちゃめちゃステキに見えてきて、なんかもう、
どうしようもないくらいはまってる……
今まで視界にも入れてなかった同作家の他のコミックスも全部揃えて
しまった。今度発売される予定の○○も××も予約してまで買うだろう。

今回たまたまこういう事態になった事は、私にとってはハッピー。
だけど、自分のそういう食わず嫌いで見逃してきた作品もきっとあった
んだろうなぁと思うとちょっと鬱。そして、何年か前、当時の本音だった
とはいえ、死ぬほど「キモい」を連発してしまった自分にすさむ。
今、なんかめちゃ尊敬……>その作家さん