あなたの心がすさむとき 【30】

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両親が旅行帰りにマンションに来ると言ったので、いつも汚い汚いと
言われている部屋を、めいっぱい掃除した。特に流しは比喩じゃなく
顔が写るくらいステンレスをピカピカにした。母親を見返したかったんだ。
ところが、車を停める場所がなかった、と言って父が停車したまま待って
母だけが部屋に来た。
反応を見たかったので、私はずっと母の動きを追ってたから、駆け込んできて
真っ先にペットを探して触ってトイレだけ入って「お父さんが待ってるから」
と出ていったのは確か。その後3人で食事して、送ってもらって…
結局、せっかくキレイにした流しは一顧だにされなかった。

夜に電話が来たとき、ちょっとしゃべってから、母が言った。
「あんた、もうちょっと部屋キレイにしなさいよ。特にあの流し!!
なあにあれ、ドロドロじゃないの〜やあね、もう!」
…確かに今まではそうだったかもね。でもあなた、見てもなかったのに
さも見たかのように説教するってどういうことですか…
指摘したら「…あ、…あんなんじゃダメよ。あんたのキレイなんか
お母さんのキレイとはレベルが違うんだから」とか言い始めて引かない。
昔から、こんな風に自分の間違いは絶対に認めないで、見苦しく
言い訳する人だったけどね。
この年でちょっぴり傷ついちゃったよ、お母さん。すさむ。