へぼい本を読むと・10

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純情な仲だったのに…と心の中でグチりながら必死の人工呼吸に取り組む誇大。
そして、…嗚呼、まさしく愛の奇跡!(挿絵の文章より)逝きはめでたく甦りま
す…が、目を覚ました彼女、誇大に人前でちゅーされそうになってることに気が
つき、びっくりして誇大を突き飛ばします。あわてる誇大。その様子に艦長その
他いつの間にか増えていたギャラリー全員吹き出し、一同ワッハッハ。艦長室に
春風が吹き通ります。

一件落着かと思いきや、収まりのつかない逝き。まだうら若い処女である彼女は
人前でちゅーされたことと、「あられもないラーゲ」を見られたことが恥かしくっ
てたまらないのです。だからあれは人工呼吸だっちゅーに。
いつまでも膨れている逝きに、誇大もさすがに逆ギレし、測距儀室なる場所で痴
話ゲンカをおっぱじめます。
「ふん、それが命の恩人へのご挨拶かい。お前さんあン時や、死んでたんだぜ、
毒ガスを吸い込んでよ。おれの人工呼吸のおかげで生き返ったくせに、その態
度はなんだ、あばずれ」
おエドでご猿の脚本でも読んでるのかと錯覚するような口調もさることながら、
罵り言葉はボギャブラリー不足丸出しです誇大クン。あばずれ発言にキレたのか
逝きは誇大を「処女の唇を盗んだ痴漢」と罵ります。恥かしがりやのうら若い乙女
が、処女だなんて口にするのはどうかと思われ。
「僕を痴漢だと言うのは、僕がこうしたからか、コラ逝きッ」
そう言って、逝きにちゅーする誇大。
「ム、ク、ククッ、ああッ……」という逝きの声からも、その激しさが伝わってく
るようです。そして長い長いせっぷんの後、
「バカ、ススムのおバカさん、愛してるのよッ」
「おれも、おれだって逝きが好きだッ」
そう言って、も一回ちゅーする二人。気になるのが、ここで「四つの唇が一つに合
わさった」と書かれていることです。四つ…四つか……モニョ
宇宙空間なんのその、また吹いてきた春風に包まれてラブラブな誇大と逝き。そ
の頃艦長室では、起き田さんがご臨終だったのですが言うだけヤボでしょうか。
以上、「57 復活の盛り逝き 愛の人工呼吸」(本当)でした。長文スマソ。