【管理人に】新・サイト乗っ取り・煽り厨警報66【なってあげます】

このエントリーをはてなブックマークに追加
834お話
親戚のおじさん達が話す話はどこどこの誰が死んだだの、会社の愚痴や悪口ばかりで
例え子供であっても良い気持ちはしなかった。
頼りだったお母さんは集まった親戚達の食事の用意で私達の事は後回し。
しかたなく眠そうなてっちゃんをおぶさり、離れにある仏間へ避難するしかなかった。
実家の仏間は8畳程の広さに、大きな仏壇が置いてあるシンプルな部屋だった。
仏壇の横には戦争で死んだおじいちゃんにそっくりの写真がずらりとならんで、
その部屋に入っただけで写真の人達に睨まれている気がするから好きではなかった。
だけどあそこにいて親戚のおじさんに抱きかかえられ、頬擦りをされるるよりはずっとマシだ。
夕飯が出来るまでてっちゃんとのんびりしていれば良い。
きっとお母さんはいつものようにいなくなった私達を迎えに来てくれる。


そう思いながらふすまを開けると、仏壇の前に浴衣姿の男がひとり座っていた。

男は入口に立っていた私達に気づいていたようだが、興味が無いのか見向きもしない。
子供というのは本当に自分の気持ちだけで行動出来る。男が醸し出していた「こっちくんな」オーラも無視して、
私は仏壇に座る男のとなりに座った。相変わらずてっちゃんは私の背中で眠っている。Tシャツの肩はてっちゃんのよだれで冷たい。
仏壇の上には等間隔で積まれた飴玉の山がいくつか出来ていて、男はその山を崩しては積み上げ、を繰り返していた。
今だったらその時点で変人だと思い関わらないだろうが、私は男の積み上げたその飴玉が欲しくて仕方が無かった。
お母さんから貰ったお菓子はてっちゃんが全部食べてしまったのだから。
「ねえおじちゃん、これ、食べて良い?」

男は初めて私の方を向いた。おじちゃん、というには男は若く、整った顔。
人より少し薄い唇と、細くすっきりした目がまるで左右に引っ張られるように笑みを作った。

続く