終わるコミケット#3 おもいでコミケット

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45名無しさんi286
「そう考えて、思い当たったんだよね。コミケットと僕たちのあり方を、もう一度
見つめ直すのも悪くないとね」

   「今までと同じ、ただ維持するだけの営みを、これからも続けて行かねばなら
   ないとは思えないのです。うまく言葉に出来ませんが、もっと違ったやり方も
   あるのではないかとね」

  「……お前達は、自分の言っていることを理解しているのか? それは我々
  準備会……いや、即売会、そして同人全体の有りように問いかけを発しようと
  しているんだぞ?」

「閉じた円環は、停滞するだけなんだよね。……僕たちは長い時間、近代同人を守ろう
とし続けてきた。今までの四半世紀は、其れで良かったのかも知れない。だけど、次の
四半世紀も同じようにするのが最良ではないかも知れない。コミケットを、同人の変化に合わせて、大きく変えていく可能性を探すのは、悪い事じゃないよ」

 「俺達は二十五年の間、円環を保ち続けてきた。そのあり方をもう一度考えるに、
 十分な時間が流れたのは確かだ。新たな可能性を探ることも……必要なのかも知れ
 ない」

  「……二十五年の時が巡り、読み手やサークルの壁を越えて、多くの者が同人の
  在り方を思索しようとしている。……だが、まだ誰も、確たる答えを得ては
  いない。どれほど思索を巡らせばいいのかも解らない。今と違った同人の在り方を
  見つけられるかどうかも解らない。それでも、お前達は考えたいというのか?」

「僕たちには、時間が必要なんだ。同人の在り方に思いを巡らせる、ね。あらゆる
参加者達の言葉を聞いて、今までのコミケットの姿を見極める。それでなお、新たな
同人の姿に可能性を見出すなら……」

  「……」

「その時こそ、新たなコミケットを始めよう」