終わるコミケット#3 おもいでコミケット

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113流れ書き
 地下鉄も、JRなどの地上路線に比べればまともだったが、それでも少しダイヤが遅れ
ていた。
 特に南北線は東急目黒線と接続しているせいか、地上方向からの電車は軒並み遅れてい
て、赤羽岩淵発の電車も東急との接続は行わず、目黒での運転終了を行っていた。
 飯田橋で有楽町線に乗り換えてから、それはさらに顕著になった。
 特に、有楽町線は西武池袋線、そして東武東上線の2路線が乗り入れていて、ダイヤの
8割がその乗り入れに頼っていたため混乱を引き起こし、地上での遅れが大幅に影響して
いた。
 しかも、都バスが走行できないためか、JRや都営地下鉄の乗換駅などで大量の人が雪
崩込んでくる。
 その人たちのギラついた目が、二人には忘れられなかった。

 緊張が、車内に渦巻いている。
 いつもの「祭の前の緊張感」ではない。
 重く、ピンッと張りつめた……そんな、重い空気。
 その空気の前に、二人は口を開くこともできなかった。
『間もなく、新木場、新木場――終点です。りんかい線は、お乗り換えです。現在、JR
京葉線は降雪量過多のため、運転を見合わせております。皆様、どうかご了承ください』
 そのアナウンスが流れた途端、あたりの空気が一変した。
 ざわめきが走り、先程までの緊張が一気に解ける。