ち/ゅ/う/ぼ/う/ど/う/じ/んの痛/い/言/動/(新138)

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決定打は、共通の知人が入院したとき。
難病で次に発作が起これば命は危ない、と言われていた。ある晩、その発作がついに
起こり、朝になって付き添いの人間が触れたときにはすでに冷たくなっていた……。
急遽、知人親戚が集められる中、一縷の望みをかけてお医者さまたちが懸命に
心臓マッサージをしてくれている。全員祈るように無言。特に知人の老いた母の心境を
思うと、誰も言葉が出なかった。
そこへ、厨が突然の発言。
「おい、葬式はどうするんだ」
我が耳を疑う、という言葉を体験するとは思わなかった。
誰もが人外を見る目で厨を見つめる中、平然と「用意するなら早くしないとな」
お前には奥の部屋から聞こえる医師と看護士の緊迫した声が聞こえないのか。

その一件で厨は完璧周囲から孤立するも、諸事情あって私はCOできず。

何故なら 厨 は 私 の 実 の 父 親 。
進学を期に一人暮らしを始めた私の元へ、毎晩のように電話が来る。
熟年離婚の危機に立たされ、電話の内容は「俺は何も悪いことしてないのに、なんで……」
過去の悪行は無かったことになってるのか、悪かったと思ってないのか。

ついに今日は「子供なんて持つもんじゃねぇ」の一言が奴の口から飛び出した。
二十歳を超えて、多少のことでは泣かなくなったが、今夜だけは泣かせてくれ。