【物書き】自分の文章晒しまshow!【限定】

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912名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/04 01:07:22 ID:V1IJo5qN
>911
ごめん、体裁が壷形っていうだけで自分はパスだ
読みにくいし、読む気力が削がれる
後、黒背景に白文字はやめとけ。必要の無い、過度の改行もね
913905:05/01/04 01:14:45 ID:xUzrAF6V
批評ありがとうございました
根本的な文章の問題みたいですね…
いろいろなジャンルの本を読んでるつもりでしたが、もっと種類を読んで勉強します


あの覗いてる人は☆の奥さんじゃなかったのか…○TL
914名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/04 04:29:26 ID:mDB141Xy
888で晒していた者です
再び晒します
http://aotuki.peko.to/hisomu.html
オリジの短篇で、以前晒したものより前のもので処女作です。
915名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/04 04:47:50 ID:8i62uNyb
>911
いっそ、なぜセンター合わせの体裁にするのか聞いてみたいよ。
何か秘密の効能でもあるんだろうか。

それはともかく。
まず、単語や表現の重複が目立つ。
ある部分を強調するために使うのは技法としては有りだろうけど
文章を読む限りでは、そうは思えない。

内容に関しても、ダラダラと「感傷」を垂れ流している感じ。
登場人物の関係性を示す具体的なエピソードがないので
相手を失った「自分」の、死を選ぶほどの悲しみというものが
現実感を持って伝わってこない。

他人に何かを感じて欲しいと思うのなら
自分にうっとりと酔っているような体裁や文章は
一から見直す方がいいとオモ。
916名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/04 08:58:01 ID:gRRGojYj
>>911
たしかに壷形はよみにくいな。

それだけだとあんまりなので。
「これ、詩かな」

というのが第一印象。
917名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/04 11:34:57 ID:eYnOdtzj
>>906
表現の細かい点はさておき。
なぜ四季姫が両親に気に入られなかったのか、納得できないまま物語が
終わってしまった。
何か観念的な話なのかと思ったけど、そうでもなさそうだし……。
ただ「賑々しいのが嫌い」「人形達の住む国のよう」と言われても、説得力が
何もない。
そもそも十五歳になるまでに、両親や環境に影響されながら子供は育つわけで、
なぜ四季姫一人が感情豊かな子供に育ったのか?
育つ間に四季姫は、両親に疎まれていることや、静かすぎる環境に疑問を持った
はずではなかろうか?
もっと人形たちの住むような国と、四季姫の対比をはっきりと描いたほうが
いいと思う。

>>914
きつい言い方だけど、日記に毛が生えた程度としか思えない。
そういう意味では、これより888は進歩していると思う。

918名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/04 13:08:50 ID:qScu9rRM
>917
906はヘタレサイトでも晒していて、私怨扱いされていたのでスルー推奨。

しかし、正月から暇な人だな>906晒し人
919名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/04 18:15:23 ID:RV0sJvuY
>>914
もう、いっその事これはストーリーのあるエッセイと言い張っては
どうでしょうか。 いや、前に読んだのもそんな感じがあって、
丁寧に書き込んでいるのに、物語があまり動かない、こちらに
伝わってきにくい。
 あくまで小説でやりたいという事なら、序盤の心情表現は
ばっさり行くかもう少し整理し、主人公と誰かの会話を
中心に際立たせたらいいんじゃないかな。
 結末も少し唐突な印象がある。 母親との会話の中で
さらりと暗示する程度にとどめては?
920917:05/01/04 18:55:25 ID:+pnxX2as
>>918
なんだ、そうかいな。かまってスマソ(w
921914:05/01/05 05:00:16 ID:b13C6owA
>>919
批評ありがとうございますー。
前に晒したのも今回のも二時間ぐらいで書き上げたので
かなり荒いものになっていると思うのですが
その辺はどうなのでしょう?

両作品共にエッセイ風のものを意識して書いています
922名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/05 10:36:55 ID:bH8lRR5B
日記に書いたものです。
オチのほうはちゃんとつくってないので・・・・



覡シンヤの土曜日は、早くに存在するが、本質的には遅く始まる。
普段は目覚まし代わりに開けられている遮光カーテンは、ねえあなたああおまえって具合に交わって彼を起こさない。
通らない日は、彼を照らすことがないからだ。
と、彼を起こす自然の力は遮断されている。
それ以外の力によって起きることを決めている彼には必要ない所以の証明。
「…ん…?」
鳴るは、安っぽい電子音のカノン。
布団の温かみを逃さず、異変をとめる為に枕元を探ってみるものの、目を開けずに携帯電話を掴めはしなかった。

「何で落ちてるんだ…?」
時計とアラームにしか用がない電話は、ベッドから逃避行してたからである。
恋敵も居ないのに。
「恋人すら居ないのに逃避行もクソもないだろっつの」


しまった、朝からギャグテンションのせいで目がさえちゃったよ俺。
「く、俺のうっかりさんメー」
メーリさんのひっつっじー数えても数えても日本人は眠れないひっつっじー
アレ、外国人がシープとスリープかけたギャグなんだぜあれ。笑えない眠れないなんだか不快の三拍子そろってうざいトリオ結成!
なんて、 覡はトリビアの塊だなーなんて言われて俺の何が無駄なんですかセンセー覡泣いちゃうとか担任にこぼしたそしてこぼされた伝説を、思い出す。


923名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/05 10:37:54 ID:bH8lRR5B

ねちっこいスヌーズカノンをとめ、リモ子(由緒正しき安売りテレビの付属品)に手をかける
みえないSOSをうけとめたTVの色鮮やかな自己主張に目を移らせると、少女向けのわりに大きなお友達も見ているというアニメが展開されていた
「うわー、主人公うぜェ
 泣いてばっかいないで敵倒せ、いや敵のほうが歌うまい
 ああちくしょう敵方が主人公になっちまえよ!!」
「兄貴うるさいこのオタク!」
失礼にも程が在る入室に、顔をしかめる
「朝から小生意気だな俺の弟は。この天使が!」
「うわーむかつく!」
「うっわベットのんな重い!」
「マウントポジションとって顔面殴打してやる!」
「まさかお前…!」
「うしくん!!」
弟の横殴りは痛い。

「あ、ちょっとまって、イタタタタタ!加減というものを知れってか知ってくださいイタタタタ!!!」
924名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/05 11:36:26 ID:9joVhYqh
電波か?
激しく意味がわからん。
925名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/05 13:04:34 ID:9mMY1KhZ
>>922
全体的にひとりよがりで、まどろっこしい比喩が多すぎる。

>覡シンヤの土曜日は、早くに存在するが、本質的には遅く始まる。
>普段は目覚まし代わりに開けられている遮光カーテンは、ねえあなたああおまえって具合に交わって彼を起こさない。
>通らない日は、彼を照らすことがないからだ。
>と、彼を起こす自然の力は遮断されている。
>それ以外の力によって起きることを決めている彼には必要ない所以の証明。

これ、まとめると
覡シンヤは土曜日には遅く起きる。
普段は窓から入る日の光で起こされるが、土曜の朝には遮光カーテンを閉めているからだ。
ってことだよね?

>通らない日は、彼を照らすことがないからだ。
何が通らないのか?
>と、彼を起こす自然の力は遮断されている。
前後がつながってない
>それ以外の力によって起きることを決めている彼には必要ない所以の証明。
何が彼に必要ないのかわからない

で、ここは三人称で書かれているのに途中から突然一人称になってる。
最後の方の会話部分も、どちらが話しているのかよくわからない。

比喩を使うことに一生懸命になりすぎて、
必要な説明を軒並み削っちゃってる印象がある。
勢いだけで書くのもいいけど、そのあとはいったん落ち着いて文章を推敲しないと
わけがわからないだけの文章になってしまう

ライトノベルに影響を受けてるんだろうけど、一度その他の文章もじっくり読むことをお勧めする。
926名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/05 13:04:38 ID:VzUWup/y
もしかしてまるマ風味なのかな?
だとしたら稚拙すぎ。
927名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/05 20:53:29 ID:UJSPfsHg
晒します。
二次で、ジャンルはとある角川系ライトノベル。
カップリングはありません。

http://www.geocities.jp/selestia12/sarashi.html

三人称を書くのに慣れていないのでおかしいところがあると思うのですが、自分ではよく分からず…
それ以外の点でも何かあれば、指摘していただきたいです。
928名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/05 23:36:29 ID:fiyQyo+m
>>922

>>925も言っている通り、比喩が多すぎて鬱陶しいです。
それらの比喩を生かす文体を狙っているとしたら、今回は見事に滑っています。
後半、唐突に一人称へと切り替わる辺りから、
それまでと打って変わって漢字変換が減っていることも気になります。
やはり常用漢字程度の変換はされていないと、読み手としては筆者の知性を疑ってしまいます。
前半の文章について、その事も荷担して、難しい単語を意味も知らずに(理解せずに)
ただ並べただけのような印象がより一層強まっている、と感じました。
このような文体で作品を仕上げる時には、
いつにも増して言葉の取捨選択に気を配っていただきたいです。

少々言葉がキツくなりますが、>>922がこの文章を自分の作品だと考えているのなら、
もう少し推敲した後に晒して欲しいと思います。
929名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/06 02:20:34 ID:/uolrHhT
>>927
原作好きゆえに気になったところをいくつか。

>長大な武器
これ多分魔杖剣とかの咒式具を指してるんだと思うけど
それならいっそ元ネタ通りの表記をしたほうが、もっと作品世界の雰囲気が出るはず。
それと、もう一人の住人、という描写によって二人が同居しているように読めたり、
ギ/ギ/ナの紋様が左頬についてることになってたり、
パラレルでない二次創作なら、もうすこし原作との整合性を気にしたほうがいい。
もっと細かいこと言えば、「腐/海」とかナウ鹿の造語なんで、
この世界の描写にはあまり良くないんでないかと思ったり。

ただ、鬱に入りこむ眼鏡とか相棒がそれを歯がゆく思ってるのとかは伝わってくる。
原作の二人の雰囲気を汲み取れてる感じで大好きなんで
ガンガン書き続けていってください。
930928:05/01/07 00:28:02 ID:vMsbzdjc
指摘ありがとうございます。

武器の件は、実際に咒式具の名前を出そうかどうか迷ったんですが、
結局そこだけ浮いてしまって(他に咒式が絡むエピソードを入れなかったので)削ったんです。
でも確かに、世界観を出す言葉はあまり削らない方がいいんですね。自分でもう一度読み直してみて、改めて感じました。
ギ/ギ/ナの紋様については完全にミスです…思いっきり左頬だと勘違いしてましたorz
先の指摘にあった表記など、これからはその世界に合うものかどうかを考えながら推敲してみようと思います。
雰囲気については、少しでも原作に近いところが伝わったようで、とても嬉しいです。
本当にありがとうございました。
931名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/09 16:57:41 ID:7RIBld1L
初めまして晒させていただきます。
オリジナルの、ただ漫然とした情景描写な文ですが……。
ご意見、ご批判お待ちしております。

 薄暗い路地裏には、ほとほとと明かりが灯されていた。
 ―もうこんな時間になるか。
 手首にぶら下がる腕時計は、午後の六時を指していた。冬空は既に暮れ、凍りついた風が顔の肌を突き刺していく。その冷たさに、ぼくは少し顔をしかめた。
 仕事帰りの夜風は、格別に体に染みていく。一歩進んでは右手で左手を暖め、もう一歩進んでは左手で右手を暖めながら、ぼくは帰路を歩いてゆく。かじかんだ指先は、寒いを通り越して痛い。
 今日もいいことの無い一日だった。
 些細なことで上司に叱られ、つまらない失敗を繰り返し、朝から晩まで謝り通し。そう言えば今朝方、目の前を黒猫が走っていった気がする。ジンクスや迷信を気にする性質ではないけれど、こうも不幸が積もると、八つ当たりでも猫のせいにしたくなるものだ。
 ああ、何てくだらない。
 道端に縮こまっていたアスファルトのかけらを、ぽいと爪先で蹴り上げた。冷え切った革靴の奥で、冷え切った足の指が悲鳴を上げた。
 明日もこんな風に終わるのだろうか。そう思うと少し悲しくなったけれど、それはそれで仕方ないとも思った。そして、せめて出掛けに黒い猫を見たくない、と思う。
 ああ、本当に何てくだらない。
 踏み切りの前で、立ち止まる。真冬の凍った空気の中では、動いていないとそれだけで熱が体から逃げていってしまって、とても寒い。そんなぼくを吹き飛ばすように、電車がつむじ風を連れて、ぼくの目の前を走り抜けていく。
 電車の窓から漏れる黄色い光が、中の様子をぼんやりと照らし出していた。手すりにぶら下がりながら笑いあう学生たちが、いやに瞼にこびりついた。
 ぼくの眼差しなど気にも留めず、電車は遠くへと走り去っていく。
 赤いランプが瞬きを止めて、行く手を阻んでいた遮断機が持ち上がった。ぼくは感覚の鈍った足で、その先へ歩を進める。代わり映えのしない道をただ歩いていく。
 くたびれた外灯が延々と続き、ぼんやりと道を照らしている。そのはるか上空で、華やかなネオンに負けそうな三日月が、居心地悪そうにぽつりと輝いていた。
932名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/10 11:17:08 ID:jQaEPdkG
>>931
これだけだと、どこをどう批評していいのかよくわかりませんが
とりあえず重箱の隅をつついてみる。
以下の表現がちと気になりました。でもただ単に感性の違いかもしれないです。

>ほとほとと明かりが灯されていた。
「ほとほと」って、あったかいものの表現のような気がする。これ以降に
「くたびれた外灯」とあるので、ちょっと違和感がある。
>こうも不幸が積もると
やはり、不幸は「重なる」ものだと思う。「積もる」にしたい気持ちは
わかるんだけど、やはり違和感が。
>アスファルトのかけらを、ぽいと爪先で蹴り上げた。
「ぽい」は、くどいようだが違和感がある。やはりここは硬質な響きの
ほうがいいと思う。足の指も悲鳴を上げてることだし。

だいたいこんなところでしょうか。比喩表現などは、ヘンに変わったものに
してしまうと、かえっておかしなことになることもあると思います。
文章全体では「ぼく」のさえない感じや孤独感がよく出ていて、私は好きだな。
寒風の中、コートの襟を立てて猫背で歩いてる後ろ姿が見える感じ(←ベタすぎ?)
あくまでも私個人の感想なので、他の方の意見も参考にしてください。
933名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/10 16:57:39 ID:h5AUX1Gq
スレ違いなんですけど、
なんか書く気力が湧きませんorz
書こうとはするんですけど指が動かないです
934名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/10 18:48:00 ID:7AWVXQml
>932
「ほとほと」って、「ほとほと困り果てた」とかそういう使い方じゃない?
比喩表現ではないんじゃないだろうか……。

と思ったら
ほとほと…戸などをたたく音や、斧(おの)で木を切る音などを表す語。
だそうだ。
ついでに「ぽいと」の違和感には同意だが
「足の指が悲鳴を上げた」のは「冷えきっ」ているせいだと思うんだがどうだろう>931

>931
読みやすいし、いい文章だと思った。
説明がくどくないのにわかりやすくて、情景が目に浮かぶ。
でも932の言うとおり、比喩表現がちょっとわかりづらい。
「縮こまっていた」は生き物に使う表現じゃないだろうか。
意外性を狙ってるのかもしれないけど、そこでテンポが悪くなってしまって勿体無い。
あとはやっぱり、ストーリーのあるものが読んでみたいな。
935932:05/01/10 23:14:13 ID:BN6Mt0kS
>>934
>ついでに「ぽいと」の違和感には同意だが
>「足の指が悲鳴を上げた」のは「冷えきっ」ているせいだと思うんだがどうだろう>931

これはもしかして、私宛のレスかな?
「冷えきっている足」でかけらを蹴ったんで、その衝撃で「指が悲鳴を上げた」
と、私は読んだんだが違うだろうか。
かけらが「縮こまっていた」も、たぶん「ぼく」の主観なんだろうけど、ちょっと
ひっかかるなと私もオモた。
936931:05/01/11 21:58:26 ID:R8Kx+v2J
ご感想、ご指摘、ありがとうございます。

えっと、まずはじめに……お褒めの言葉、ありがたいです。
文章で鮮明な情景を表現することを少なからず目標にしているので、
「見える」「目に浮かぶ」などの感想はとても嬉しいです。

他人に指摘されなければ気付かなかったことばかりです。
言われてみると確かにその通りで、今後心がけるようにしたいものです。
>比喩表現などは〜
>意外性を〜
陳腐にならないようにと意識しすぎた感が強いですね、そのとおりだと思います。

「ほとほと」にそんな意味があったとは。
知らずに語感だけで使ってた……戸を叩くように、木を切るように灯る外灯orz
激しく勉強になりました。ムチッテカコワルイ

あと、「足の指」は、>>935の通りの解釈になります。分かりづらい表現申し訳ない。
「縮こまった」も「ぼく」が自己投影をしているニュアンスで使ったつもりでした……。

何にせよ、まだまだ精進する必要があるようで、ご指摘、非常に参考になりました。
937931:05/01/11 22:04:46 ID:R8Kx+v2J
ストーリーのあるものも、との事ですので、調子に乗って晒してみます。
少し前に書いた作品で詰めの甘い点も多いですが、その辺りも含めご指摘お待ちしてます。


 冬の朝は遠く、墨色をした空にはまだ月が居座っていた。
 冷えた手にホットの缶コーヒーがありがたい。じんわりと広がっていく熱を指先の全神経で感じ取りながら、三波は人気の無い道を歩いていく。時折すれ違う新聞配達の若者が、奇異なものを見る目を彼に向けた。
 ……やっぱ、おかしいかな。こんな時間に出歩くの。
 はっきり言ってしまえば、おかしい。まだ現実の世界を出歩くにはあまりに早い。三波が今歩いている、細い路地の塀と壁の向こう側では、まだ誰かの夢が広がっているのだ。
「でもな、仕方ねぇよな」
 自分に言い聞かせるようにぼそぼそと呟いて、手の平で転がしていた、まだプルタブの開いていないコーヒーの缶をコートのポケットに放り込んだ。いい加減手も温まった。遠慮を知らないスチールの温もりは、もはや熱い。
 風が無いのが幸いしたか、覚悟していたほどには凍えない。それでも体の芯から湧き上がってくるような寒さに、三波は大して広くもない肩を思い切りすぼめる。
 ――中央公園。鉄棒と滑り台の間のベンチ。待ってるから、早く来い。
 中央公園は、三波の住む下宿から歩いて十五、六分ほどの距離にある。赤錆の浮いた鉄棒や、揺らすたびにきしきしと音をたてるブランコがひっそりとあるばかりの、中央と銘打つ割には狭く寂れた公園だ。
 わざわざ呼び出すくらいだから遠かったらどうしようもねぇな、と三波はわがままな親友の顔を思い浮かべて、胸中で軽く悪態をついた。想像していた友人の顔にふと睨みつけられたような気がして、一人苦く笑う。
 少し先の電線で、気の早いカラスが濁った声で鳴いた。


938931:05/01/11 22:09:57 ID:R8Kx+v2J
 「待っている」と言ったはずの友人は、待っているどころか一向に姿を現さなかった。
 プラスチックで出来たベンチは、いつまでたっても三波の体温を受け入れてくれない。冷え切った尻を時々ずらしながら、少しでも温度を逃がすまいとポケットの中のスチール缶を握り締めた。もう随分とぬるくなって、多分飲んでもおいしくないだろうなと思う。
 公園に付き物の柱時計は、静かに五時半を告げる。もうかれこれ十数分は待っている計算だ。友人の家は確か公園までバイクで十分の距離、三波が歩いてかかる時間より短かったから、いくらなんでも遅かった。
 ……朝飯でも奢らせるか。
 寒さと苛立ちと眠気が怒りにすり替えられるのに、時間はかからなかった。
 もうほとんどホットドリンクの意味を無くしたコーヒーから熱を奪いながら、三波はただひたすら待つ。帰ってしまおうか、迎えにいこうか、などの思考には辿りつかなかった。すれ違いになるのは御免だった。

 プ、リラリロラロ、リリラルリロ、ラリレルロ、

 聞きなじんだ着信音が、誰もいない公園に響き渡る。
 三波は一瞬びくりとして辺りを見回したが、すぐに缶コーヒーとは別のポケットに放り込まれた、少し塗装のはがれた携帯電話を取り出した。通話着信だった。そこにある見慣れた番号を確認して、通話ボタンを押す。
『あ、もしもし、三波?』
「一体どういうつもりだよ芹沢。何で来ないわけ?」
 親友の声だった。少し腹が立って、三波は少し声を荒げる。電話口の向こうにいる芹沢に見えないのは分かっていたが、三波は少しだけ口を尖らせた。
『ごめん』
「こっちは朝っぱらから叩き起こされてさ」
 文句の一つや二つは許されるはずだ。三波は出来るだけつっけんどんにならないように言ってみたが、帰ってきたのは無言の返事だった。
「おい、聞いてんの?」
『聞いてる、聞いてる』
 電波の調子が悪いのか、受話器越しの声は掠れ気味で、少し遠く聞こえる。
「遅れるんでしょ? どれくらいで来る? いっそのこと、違う時間にするか?」
 ほんの一瞬何も聞こえなくなって、「切りやがったか?」と三波は思った。しかしすぐに芹沢は答えた。
『いや、行けなくなった』
「……はぁ?」
『悪いけど、行けなくなったんだ』
939931:05/01/11 22:10:54 ID:R8Kx+v2J

 相変わらず電波の嵐で音声は掠れている。それでも決まりが悪そうに眉をひそめる芹沢の顔が、三波には容易に想像できた。三波が苦手とする顔だ。そうやって謝られると、怒ろうにも怒れなくなってしまう。
『ごめんな、本当、ごめん』
「じゃ、どうする。また後で待ち合わせするか? それとも今からそっちに行こうか?」
『いいって。……いや、来てくれるか? 来てくれると嬉しいけど』
「んじゃ、すぐ行くから。お前今ウチ?」
『……やっぱり駄目だ。来るな』
「何だよ。せっかく行ってやろうかっつってんのに」
『ごめんな』
「風邪でもひいた?」
『……いや、急にいかなくちゃいけなくなってさ』
「急用かぁ。んじゃ仕方ないな」
 理不尽だと感じていた怒りが、少し和らいだ。芹沢はフリーターで、現在は早朝のアルバイトを入れている。こんな時間に予定が入るのはいつものことだった。
『ほんと、悪い』
「おう、悪いな……てのは冗談。仕方ないって、それなら。終わる頃にそっちに行くから、待ってろよ」
『分かった。待ってるからな』
「じゃ、またな芹沢」
『……ああ、またな。洋介』
 ぶつりと短い電子音がして、携帯電話はそれきり黙りこくった。三波はそれをもう一度、缶コーヒーの入っていない方のポケットに放り込む。
 来るあての無い待ち人を待っていても仕方ないので、三波はベンチから立ち上がった。冷えたジーンズに、冬の朝の空気は容赦ない。寒さに震えて、三波はポケットに手を入れた。あれほど熱かった缶コーヒーはすっかり冷たくなって、もう暖は取れなかった。
 結局、アパートにもアルバイト先のスーパーにも、芹沢は姿を見せなかった。芹沢が持っているはずの、三波本人の携帯電話にも、ついに繋がることはなかった。
940931:05/01/11 22:12:45 ID:R8Kx+v2J
 その日の午後。ふいに友人の携帯電話がリラリロと鳴って、三波はそれに出た。
「もしもし?」
『……あの、どちらさまですか?』
 それは聞き覚えがあるような無いような、友人の母の声だった。彼女は三波が電話に出たことに少なからず驚いていたが、事情を説明すると、ああそう、と言って少し嗚咽を漏らしていた。気もそぞろのまま息子の携帯電話に掛けたところ、三波に繋がったと言う。
 友人の母は泣き枯れた声で、弘一は死んだと言った。
 今朝方、バイクで走っていたところをトラックにはねられて、病院に運ばれたときにはもう息が無かったという。ほとんど即死状態だったらしい。
「朝の、五時半頃ですって」
「……そうですか」
 その後、お通夜や葬式のことを話して、もしよければ是非顔を見にいらしてください、弘一も喜ぶでしょうから、と言って電話は切れた。
 三波は呆然としたまま、ただただ昨晩と今朝のことを思い出す。
 一緒に飲みに行った帰り、同じ機種だった互いの携帯電話を取り違えて持ち帰ってしまったこと。
 明け方になってようやくそのことに気づいた芹沢が、電話を返したいからすぐに来てくれと連絡してきたこと。
 プライバシーだし、どうせすぐに会うことだしと、そのすぐ後に芹沢の携帯の電源を切ってしまっていたこと。
 そして、三波が芹沢からの電話を受けた時間が、五時半頃だったこと。
 確認をしようとして、自分の手元にある友人の携帯電話を開いてみたが、不思議とその五時半頃の着信履歴は入っていなかった。「15:47 実家」と表示された着信履歴の前には、「5:01 三波」の記録が残っているのみだった。
 とっさに、芹沢が持っていたはずの自分の携帯電話にコールを入れてみる。
『おかけになった電話番号は、現在……』
 後々友人の家を訪ねた折に、三波は壊れて使い物にならなくなった自身の携帯を「申し訳ない」の言葉と共に渡された。事故の際、芹沢が着ていたコートのポケットから出てきたという。
941931:05/01/11 22:13:47 ID:R8Kx+v2J
 そのことを誰かに言うべきかどうか三波は少し迷ったが、結局は自分の心の中だけにとどめ置いておくことにした。誰かが信じてくれるとは、到底思えなかった。
 最後に電話口で芹沢が言った言葉を、三波はふと思い出す。
『待ってるからな』『またな、洋介』
 友人が待っている場所は三波には見当も付かなかったが、彼は確かに待っているのだろう。約束を一度もたがえたことの無い親友の顔を、空に浮かべた。
 火葬場から白い煙が吐き出された。それは鳥が舞うようにゆらゆらと空に昇っていく。
「また、会えるよな」
 ……約束したもんな。


以上です。
長々失礼しました。
942名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/12 02:37:40 ID:5ajB4D34
全文読んでないけど「ラリレルロ」で笑ってしまった。
魔法少女の呪文みたいな着信音だね。
ここを一生懸命読もうとしたら流れが止まった(w
943名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/12 09:57:20 ID:uU9yC7tI
まだ全文読めてない、というか読めなかったんだが。
まず、2chにそのままカキコで晒すなら読みやすく改行してくれ
改行しないリズムにこだわりがあるなら、他の方法を取れ
それから、5行しないうちに視点が突然変わって突然戻るのも読みにくい
もっと、他人が読むのだということを意識してくれ
944名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/12 12:31:03 ID:qNLz2S89
俺の知識だと5:00〜5:30に町中を歩いている人はそう少なくない。
少なくとも新聞配達の人間がいちいち気に留めるほど稀な存在じゃない。
『聞き馴染んだ』(これも微妙な表現だと思うが)着信音、の
携帯がいきなり友人のモノになってるのも?だ。
説明の順番が逆になってるのは効果的な演出だと思ったのかもしれないが、
はっきり言って不足。
その手の効果を狙うなら、まず一番最初にその携帯を手に取ったときの
微妙な違和感なりをあらかじめ記しておくべきだと思う。
945名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/12 13:55:14 ID:COQz1aGm
>>937-941
>月が居座っていた。
>遠慮を知らないスチールの温もりは、
>ベンチは、いつまでたっても三波の体温を受け入れてくれない。
>柱時計は、静かに五時半を告げる。
>携帯電話はそれきり黙りこくった。……ets

擬人化、と言っていいのかどうかわからないが、その手の比喩表現が少々
多いような気がした。931さんの癖なのかな?
この長さの物語の中でこれだけ出てくると、何だか、現実ではない不思議な
世界にいるような感じだ(ちょっと大袈裟だけど)
月は月、スチールはスチールらしい表現というのも必要だと思う。

携帯の取り違えについては944さんと、まったく同意。
ラストも、何だか尻切れとんぼで終わってしまっている感じ。
もう少し余韻が欲しいな、と思った。
946名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/13 19:10:08 ID:zKA1Ths1
表現は情緒的過ぎる気もするけど、好みの問題なのでいいんじゃないかな。
ラリルレロ、も私はわりと好き。
ただ、あまりにもオチがベタすぎやしないか。
友達のセリフを読んだ瞬間嫌な予感がしたのでオチの確認をさせてもらって、
思ったとおりだったので、悪いけど間はもう読まなかった。

それなりの文章で書かれたそれなりの物語は誰の心にも残らないと思う。
947名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/13 23:08:30 ID:pKTGWmuh
>937-941
946さんの最後の1行に同意。それに説明が長すぎる。
文章をハードボイルドにして分量を3分の1に、
鬼のように減量かければショートショートとしては悪くないかな。
こういうの高校時代書いてたよ。懐かしい。

ショートショート=手品と考えると大事なのは見せ方だね。
前振りはオチを演出する為にある。
そこが長すぎたり無駄が多かったりすると観客はだれる。
順序良く、計算して、過不足無く語る。そして全体のトーンを整える。
大概の物書きは語りすぎるから、リベット1本まで軽量化、の心意気で削る。
そしてあくまでオチはスマートに。

まぁ、文体で見せるタイプのショートショートもあるんだけど、
具体例は星新一・編『ショートショートの広場』を読んでみて。
948!omikuji!:05/01/14 15:22:17 ID:Slhbd63Y
tes
949名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/14 20:37:17 ID:ZSe9pCf6
我輩はネコである。名前はまだない。タチのイケメンを募集中。
SM、スカまでOKっす!かっこいいお兄さん我輩を可愛がってくださいね(^^)
950名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/14 23:20:46 ID:ObIgK8ZA
この批評で書いた人の年齢とかあてるのはどうだろうか。プロファイリングスレみたいに
文章にも年齢って出るだろうし
951名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/15 00:20:05 ID:iJOtJw71
>950
あんまり興味ないな…実年齢より読書経験の方が影響強そうだし。
添削希望者に有志ががやがやとツッコミをする。
それだけの機能でいいよ。

ところで次スレどうする?980あたりでいいかな?
952名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/15 00:51:05 ID:6tW1w1Hr
980あたりで。字書きとして勉強になるスレなので、続いて欲しい。
953名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/16 03:43:10 ID:09PIll+D
晒します。

http://matsuyama.cool.ne.jp/kokaku/sa1.html

二次 攻/殻/機/動/隊/S/A/C
少々エロ有り

評価をお願いします。
954名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/16 08:23:16 ID:K9OwTsVs
まったく練らず行き当りばったりで書いてみた。(製作時間7分)

1989年、日本ではコンクリート詰め殺人事件があり、世間に衝撃を走らせた。
人が人を殺す。それが異常だと知ったのは何時か。
殺人とはふるかから職種としてあり、公認されているのは軍人だけだろう。
暗殺という職業もある。
我が家は古くから続く由緒正しい暗殺家だ。
暗殺に表に誇れる歴史など無いが。
そして魔術師でもある。
魔術とは人に与えられた第二の力。ルールを破り昔の法則を適用させる術。
遠い昔、人は誰でも魔法を使えた。ルールが無かったからだ。
神様がルールを増やし、人々は制限された中で生きていった。
祖先達は単独犯の不利性を補うべく西洋からそれを取り寄せ、
独自の技術と混ぜる事によって、殺害と離脱を確かなものにする。
それは代を重ねるごとに改良され、完璧なものと成っていった。
だがそんな奇跡みたいな業を得るには様々なものを捨てざるを得ない。そう父親は言っていた。
何一つ捨てていないのにな。この殺人術と引き換えに失ったものは何も無い。
世界は広い。まだ知らない技術が山ほどあるだろう。
その一端、ヨーロッパの魔術師に父親は殺された。感慨は無い。
今回の目的はその魔術師を殺害する事。前当主を殺した者だ。黙殺は出来ない。
それに、試してみたい。この力がどこまで通じるかを。

>>950
批評の最後に多分OO歳とかオマケ、遊び程度にやってほしい。当たるかどうか楽しみなので
955名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/16 08:35:52 ID:f+oV1nXi
ていうか行き当たりばったりの文を当然のように他人に評価させようと思うなんて、
お前どういう神経してるんだよ。
よくもまあ製作時間7分とか堂々と言えたもんだね。
956名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/16 09:06:16 ID:rsNVYZIH
>>955
禿道。

つか、書いたのは7分でもイイが推敲ぐらいしないと。
三倍の21分は掛けろ。
957名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/16 13:40:27 ID:bVoh14RT
・一文の前後のつながりがおかしい。
・動詞の活用がおかしい。
・そもそも日本語がおかしい。
・誤字などは論外。
・一見、意味のあるような文章が書き連ねてあるが、
じっくり読むと意味不明。と、言うかこの話が書かれた意味が見えない。
・おまいさんは何が言いたいんだ。
958名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/16 14:04:22 ID:KYpvVnIo
製作時間7分の手抜きだから…とか免罪符出すなヘタレ。
SSの後書きの「へぼくてすみません(汗」と同等、
ちらしの裏に書いとけ。
959名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/16 14:04:50 ID:Rfb85mMm
晒したいのですが二次で801。
しかもスレに直書き・・・・・・はやっぱり駄目ですか?

960名無しさん@どーでもいいことだが。:05/01/16 14:23:23 ID:QVermjqX
>>953
文章は読みやすい。やや説明的で色気が無いかな。気になった点をいくつか。

>胸乳(むなぢ)
初めて見たんだけど…こんな言葉あるの?あるとしても胸、と書けば十分じゃ。
>もっと強かにならなければ
「したたか」とはすぐに読めなかった。
カッコでルビ振るか、ひらがなでいいと思う。

>>959
二次はOK。801も匂わす程度なら前例あるから大丈夫かと。
(まさか濡れ場じゃなかろうね?)
961名無しさん@どーでもいいことだが。
では晒させて頂きます。濡れ場じゃないですよw
二次で801。鋼のレンキンジュツ氏でロイ×エドです



太陽の光が私を優しく照らす。
窓の外から差すその光は今が夏である事を教えてくれていた。
ゆったりとしたソファに座りながらただ時が過ぎるのをじっと待っている。
傍から見たら羨ましい午後の過ごし方に見えるのだろうか、
しかしそんな優雅な午後も自分を落ち着けてはくれなかった。
「・・・・・・ふぅ」
心を落ち着けるかのように近くに置いておいた炒れたてのコーヒーを一口啜る、
嗅ぎ慣れたその香りが今日は一段と強く私の鼻腔をくすぐるようだ。

ああ、あの子が来る日はいつもこうだ。
金髪の少年が来る日はいつでも私の心を波立たせる。

私のいるその家はいつもよりも格段に綺麗に整理されている。
あの子の為に家具は磨き上げられ、完璧な配置にし、花を飾り、
一分の隙も無く素晴らしい部屋は作り上げられる。
けして狭くは無い、むしろ一般よりだいぶ広いその家をそう仕立て上げるのは大変な作業だが、
あの子のことを思えば苦になろう筈も無い。
「まったく・・・・・・」
私にこんな思いをさせた人間は今まで一人もいなかったのに。
女に困った事も無く、気を繋ぎ止めようとしたことすらなく、何不自由ない生活を送ってきたのに。
まさか、自分よりずっと年下の少年に惚れるなんてまるで馬鹿みたいだ。
―――そうあの子のことを考えるだけで心がいっそう高ぶる。
もう一度コーヒーを口に運びそれを一気に飲み干した。
苦味が口を襲う、しかしその苦味も自分の心を落ち着けてくれる事はない。