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先日兄メイトで会った人の話。
同人誌の棚の向かいにある商業コミックスの棚の前に立ち本を探していたら、
背後から2人の女の声が聞こえてきた。同人誌の棚に並んでいる本を選んでいるらしい。
少々声は大きめだったけど大して気にならなかったのでそのまま本を探していると、
突然「これ違ーう!」と叫び出す女A。同じように「ウッソー間違えたー!」と叫ぶ女B。
どうもカップリングが好みと違う本を手にしていたらしい。バイキンに触れたが如く
気持ち悪い気持ち悪いと連発。
そんな彼女等にもにょりながらも「まあ私は他人だ、店員でもないし」とスルーし
自分の目の前の棚に目を送っていると、今度は後ろの彼女たちが呪文を唱え始めた。
「じゅっ、じゅっ」
「やっぱ良いよねー、同人誌最高。じゅっ、じゅっ」
「○○(キャラ名らしい)がいれば私の人生幸せ!じゅっ、じゅっ」
…怖いよママン(´・ω・`)
445 :
2/2:03/10/31 16:10 ID:YoUouote
ひたすら「じゅっ、じゅっ」を繰り返す背後の2人。
彼女たちの好きなジャンルにそういう呪文が出てくるのかなと思い
ちらっとそちらを振り返ってみると、彼女たちが手にしていたのは飛翔の庭球同人誌。
あれは現代日本が舞台だったはず。呪文なんか出てくるんだろうか。
そう思いつつも、原作を読んだことが無いので私は勝手に
「きっと何かのキャラがテニスやりながら口癖のように言ってるんだろうな」
と脳内で疑問を解決させて気にしないことにした。
しかし彼女たちは別ジャンルの同人誌の話題をし始めた。
そして同じように「じゅっ、じゅっ」の呪文。そっちのジャンルは原作を知っているので、
その原作の中にこんなへんてこな呪文が出て来ないことも知っている。
それに複数のジャンルに共通する呪文なんて存在するわけが無い。
何だろう何だろうと思っていた私は、あるとき彼女等があるキーワードを口にした時に
はっとその意味に気付いた。
「コウ、コウ!□□(同じくキャラ名)がじゅっになるときは
△△(キャラ名)がコウが一番シックリ来るよね!」
…彼女たちは、『攻』を『コウ』と呼び、『受』を『じゅっ』と呼んでいた。
再び後ろを覗くと、同人誌の表紙に描かれているキャラを指差して
2人で「じゅっ、じゅっ」と言い合っている。要するに「このキャラは受よね!」
という意味で言っているらしい。そしてその隣りに描かれているもう一人のキャラを指して
「コウ、コウ」と言っている。その本を棚に戻し、同ジャンルの別の同人誌を手に取っては
同じように「じゅっ、じゅっ」「コウ、コウ」。禿しく怖いよママン。
結局彼女たちは、私が目当ての本を見つけてその場を去るまでずっと呪文を唱えていた。