俺のようにLeafの雫・痕の全盛期に初めて同人誌即売会に足を運ぶようになった世代は
もうAMRからはとっくに離れていってるんだろうな。
ちなみに当時からすでにあずまゆき、なかじまゆか、西又葵/鈴平ひろなんかは有名だったし
みつみ美里に至ってはもうすでにシャッター前作家だった。
茜たんが男性向けに転向したのもこの頃だ。よく覚えてるのは彼女がスケブを描いている姿。
スペースに行くと淡々とスケブを描いていることが多かった。
即売会も終わる頃になると色紙で人を集めていることが多かった。
そのうち彼女はコスプレで一躍有名になる。コスプレ女王とさえ呼ばれた時期もあった。
ときには非常に露出度の高い格好で売り子をしたり、コスプレコンテストにも出ていた。
俺が茜たんに惹かれたのもこの頃だ。コスプレがとてもかわいくて虜になった。
しかも同人誌は雫や痕、それにTHのギャグネタ本が多くてとても気に入っていた。
この頃の同人誌は茜たんの人柄がそのままにじみ出ているような内容だ。
なによりそこが一番の魅力であり好きだった理由でもある。
いま思うとこの頃の彼女は自分をアピールするために努力をしていたんだろうと思う。
オタクの男だらけのなかであえて小さめの赤ブルマを穿いて売り子をするなど
なかなかできることではない。まあ露出度が高すぎて乳首チラしたこともあるが。
だがそんな彼女を憎む人はこの頃はまだ誰もいなかった。
ところが「ちらけっと」で様相が一変する。
彼女は以前から時限コピーを多用して人を集めていたがこの即売会では数が足りずに
結果として多くの難民を出すことになった。その後このコピー誌がネットオークションに
出品されて超高額で落札、そのアドレスがBBSに貼られることとなった。
この一件が彼女の同人誌に対するスタンス変えてしまったことは間違いない。
当時彼女は転売屋をひどく嫌っていてBBSにその怒りととまどいの心境を書き綴っている。
これ以降絵柄が急速に変化していき、それに伴い一気に大手サークルに変貌していくことになる。
それだけではない。あたかも転売屋を呼び込むような販売方法をするようにさえなってしまう。
少部数や牛歩が本格的に問題になりはじめたのもこの頃。当時BBSで買えないと書き込んだやつに
「早めにきて頂ければ買えると思いますよ」と発言して怒りを買ったのは記憶に新しい。
さらに「ハートフルコミュニケーション」で早朝来場したのに買えなかった奴が高圧的な態度で
BBSで文句をぶちまけたためBBSは茜たん自身の手によって閉鎖に追い込まれてしまった。
そして転売屋が彼女の出世に決定的な役割を果たすことになる。
少部数→転売屋の買い占め→高額プレミア化という連鎖が次々と新たな転売屋を引き寄せ
牛歩の効果も手伝って大行列ができるようになった。
さらにより絵柄がより洗練されみつみ美里に近づくことで新たなファンが爆発的に増えた。
これによりファンと転売屋が少ない同人誌を奪い合うことで人気は異常な加熱ぶりを見せるようになり
ついにAMRはシャッター前サークルの地位を掴むことになった。
当然こんな作家を企業が放っておくはずはなく徐々にイラストの仕事が増えていく。
そのうち企業にも評価され一気に仕事量が増えるとともに健全だけでなくエロまでこなす
使い勝手のいい作家、流行り絵である323系の絵を書く代表的な作家として
その地位を確立した。これが現在の状況だ。