【同人板】交流スレッド【案内所】

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216残暑見舞 1/2
「あれ?」
「何かな、これ」
「うーん、どーも誤爆っぽいよね」
とある月曜、FFDQ部の面々は部室に設けられた伝言板の前に集まっている。
そこにあったのは誰も書いた覚えのない伝言(>>202)。だけどこの筆跡には皆見覚えがあった。それは
トーナメントで知り合い、この頃しょっちゅう部室に遊びに来る少女のではなかろうか、と。
「これってやっぱり」
「あの娘だろうね。この名前は同人部の人達なんじゃないかな」
おのおの推測する中、一人が当然の疑問を口にする。
「で、当の本人はどこいったのかな?」
その声に皆が周りを見回す。そこに廊下から誰かの走る音が響いた。
軽やかな足音が部室の前で止まると同時にドアが勢い良く開けられる。小柄な体にいささか大きすぎる
ポニーテールとそれを結ぶリボン。肩を大きく上下させているのはよほど急いで走ってきたからだろう。
その少女は息を整える間もなく一直線に掲示板へと向かってきた。
慌てて場を空ける皆に目もくれず、板の前に立った少女〜同人部所属のルンちゃん〜は、数多い伝言を
一つ一つ目で追いはじめる。そしてある一箇所、自分の書いたそれを見つけた。
217残暑見舞 2/2:02/08/15 22:32 ID:r9tPOfyg
「あ―――っ、やっぱりここに貼っていたんだぁ!?」
鼻からトンボメガネがずり落ちそうになりながら、ルンちゃんは頭を抱えた。
「やっばあ。誤爆するなんて久しぶりだなあ。やっぱりコミケの疲れが出ちゃったのかな。
昨日はハードだったもん」
一人じたばたする少女。後ろから声がかかる。
「ルンちゃん?」
少女の背筋が硬直する。恐る恐ると言った感じで振り向くルンちゃんに皆の視線が集中した。
「いいから落着きなよ。別によくある事なんだからさ、気にしなくていいよ」
「え、えへへへ・・・・・・あの、その、えーと・・・ご、ごめんなさ―――いっ!!」
首まで真っ赤になったルンちゃんは、思いっきり頭を下げると顔をおおって走り出した。ドアにぶつかり
そうになりながら、リボンを揺らして部室から駆け出す。残った者達はあっけに取られてそれを見送った。
「相変わらず元気ねえ。昨日は有明まで行って大変だった筈なのにね」
「ん。でもさ、ルンちゃんはああだからいいのよ」
「確かにそーよねー」
部室に明るい笑い声が響いた。窓の外では夕日がゆっくりと沈んでいく。明日もきっと晴れるだろう。
「ところでさ、ルンちゃん自分の誤爆伝言そのままにして行っちゃったんだけど、だいじょぶかな?」

とある部員の心配した通り、その夜彼女はベットの中でのた打ち回る事になったのだった。
「あーっ、どうしよう。恥ずかしくて顔出しできないよお(涙」
ちゃんちゃん。