>158・走ルンです氏
本当すいませんね。では貼らせてもらいます。
夕暮れの中、2ちゃんねる学園に放課後を告げるベルが鳴る。三々五々帰宅する生徒もいれば
クラブ活動に精を出す者たちもいた。
そう、その部活動である。今2ちゃん学園では「クラブ最人気トーナメント」なる物が開催
されていた。巨大な規模をもつ学園にある400余りのクラブの中で最も人気のある部活動を
投票で選ぼうと言うもので、既に予選は終了し、36のクラブが本戦に駒を進めていた。
本戦進出組は本格的な宣伝活動に賑わう一方、予選落ちした大多数の部は早々と通常の活動に
戻った所が多かった。
そんな多数例に属する部の中に、ある一人の少女がいた。
「やっぱりなあ。あそこも大変だ」
game校舎からの帰り、一人呟く少女。仲間内から「ルンちゃん」の通称で呼ばれている彼女は
所属する同人コミケ部と仲良くしていたFFDQ部の様子を覗きに行ったのだ。
事の発端は昨日発表された一回戦の組合せであった。
強豪とぶつかり嘆く部や再戦を誓い合った部同士が互いにエールを交換する騒ぎの中、仲良い
クラブ達が組んだ同盟によって思わぬ状況が展開されていた。FFDQ部もその一つだった。
彼らはよりによって三国志・戦国部と三部同盟を組んでいた少年漫画部と一回戦であたる事に
なったのだ。同人部自体も他に同盟を組んだクラブ同士があたる事で悩んでいたが、FFDQ
部は当事者である分苦悩は深かった。その姿に声をかけられず、少女はそっと彼らの部室から
離れたのだ。
「あたし達は予選落ちしちゃったからまだ気楽なんだけどね」
そう言いつつもいつも活発な少女の心に、普段は訪れる事の無い一抹の寂しさがよぎる。
まだ、まだお祭を楽しんでいたかった。仲間達や友好を深めた人々と一緒に・・・。
一緒に?
「―――そうだよね」
彼女はそっと目を閉じる。瞼の裏に浮かぶのは予選7組の時のお祭騒ぎ。
みんな懸命だった。苦しくて楽しかった。そんな時に訪れてくれた彼らの言葉が嬉しかった。
「まだ、終わっちゃいないよね」
あの時手を差し伸べてくれた皆に、こんどは自分達が力になる番なんだ。
小さい力だと思う。でもそんな事は関係ない。できることを精一杯やるんだ。何より、まだ
自分自身が満足していないから、やるんだ。
いつしか彼女の足どりは早くなっていた。
「FFDQさんだったら、あのMIDIが使えるかな。
本戦開始と同時にオープニングテーマが流れるって、ちょっといいかもね。うん!」
顔を上げ、前を見つめる彼女の心に最早寂しさは無い。そこには期待とときめきが溢れる。
ちょっと小柄な少女の姿は、宙を飛ぶように駆けていた。
―――この出来事がきっかけとなって、彼女が同人部・トーナメントチームのリーダーになる
事になろうとは彼女自身まだ預かり知らぬ事であった。
【・・・続きません(笑)】