「んー..飼い犬さんだから綺麗だけど..でも、犬さんの毛とか、知らない間に蚤とか拾ってたらお姉ちゃんが困るから..シャンプーしたげるね。ちょっと待ってて」『....』
もう、黙って頷く以外の選択肢は残っていないと云う事を、戦は嫌と云うほど知らさていれた。
「お待たせー☆じゃあ、お風呂場に行こうね」『..!』慰撫の姿を見て戦は絶句した。犬のシャンプースタイル。当然濡れても良い格好。
と、云う事で、上はTシャツ一枚、下はショートパンツ。
「よしよし、いい子しててね」シャンプー中慰撫がしゃがみ込むと、今度はばっちりパンツが見える。白いTシャツは、濡れると透ける..
『..慰撫..そんな格好で人前に..』と、云いかけて戦は、「人前」ではなく「犬前」な事に気付いて弱り果てる。弱り果てるが、視線は花柄とうっすら透けて見える桜色の蕾の誘惑に勝てない。
「..あは、大人しくていい子だね。飼い主さん早く見つかるといいな..はぁい、綺麗になりました☆」
戦はぶるぶると身体を振って水気を飛ばす。「あはは、冷たいよ犬さん..」ドライヤーを掛けられながら、戦はこれで天獄の様な時間が終わったと思って安堵した。この後最大の試練が訪れるとも知らずに..
「そうだ、犬さんおなか空いてない?ミルクあげるからちょっと待ってね」びしょ濡れになったシャンプー服からいつもの服に着替えた慰撫は、冷蔵庫に牛乳パックを取りに行った。戦も取りあえずその後に付いていく。
「..あ..ミルク切らしてる..買ってくるからちょっと待っててね」だが生憎冷蔵庫に牛乳は無かった。
「お財布おさいふ..痛っ」『慰撫!大丈夫か?!』鞄を取ろうと棚に手を伸ばした慰撫の頭上に、何かの小さい箱が落ちてきた。「大丈夫だよ、心配してくれてありがとう、犬さん..何かなこれ?」『..!!おいおい!!!』
誰が置いていったかは判らないが、その箱こそ戦最大の試練そのもの。「..処女母乳プラグイン?..あ、これ使ったら犬さんにミルクあげられるね☆」
『ダメだダメだダメだ!!止めろよ慰撫!俺腹なんて減ってねぇよ!!』必死で止めても出る言葉は「わんっわん!わんわんわんわん!!」
「そんなに急かさなくても、ちゃんとミルクあげるから待っててよ..これでよし、っと..あ..」