家は宿でも合宿所でもねぇぞ!!! その47

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それでは、長くなりますがお付き合いよろしくお願いいたします。これは10年程前。まだ私が実家に住んでいてリアル工房だった時のこと。

私は当時からピコピコながらナマモノジャンルにて文字書きをしておりました。
そして,この時に知り合いになったのが同ジャンルにて絵描き&レイヤーだった、今回の被害者、友人O。
彼女とは友人の紹介で知り合ったのですが、ジャンルが一緒。好きな他の音楽の傾向もほぼ一緒。
向こうが私よりも3才程年上だったのですが、なんだかんだとウマが合い気がつけば休み毎に一緒にカラオケ行ったりドライブしたりウインドーショッピングする仲になってました。
最初は全く平和に友人づきあいを続けていましたが、雲行きが怪しくなってきたのは…彼女と毎週つるみ始めて3ヶ月ほど経ったころだったでしょうか。

Oは、ちょっと見目の良いコスの為に知人だけではなく「FANなんですお嬢さん」方にいつも囲まれてました。
その中でも、異常にテンションの高いお嬢さんが一人。
彼女の名前はN。見た目…コニーです。コニーはコニーでもBIGコニー。
身長は私やOより遥かに低いのに体重は明らかに私+Oはあるだろうって位。
彼女はいつもイベント毎にOに差し入れの手作りクッキーや自分とお揃いのぬいぐるみ等(←手作り)を持参し、
毎回ちょっとスキンシップ過剰じゃないんか?おい?!と聞きたくなるほどOにくっ付いてました。腕を組んだり抱きついたり。
傍から見てると、どちらかというとすらりとしたOが力士マンからがぶり寄られてるようにしか見えないんです、これが。←実際いつもよろけてた。
Oは、Nが自分のファンと言ってくれるのは嬉しいが、毎回情熱的に突進かましてくるハイテンションなコニーはちょっと苦手らしく。気が弱く逃げ腰なOを見かねた周囲の人間がいつも救出する、というのがいつものイベントパターンでした。
(1/5)
861854:02/01/03 03:18 ID:tr3Cao8v
それはあるイベント帰り。
車を取りに行ったOを会場前で待っていると後ろから突然誰かが私の髪を強く引っ張りました。思い切り、です。
「いったーいっ!!」
誰やねん!と振り返ると、そこにはずおーんと立ちはだかるNの姿。
「…どうかしたんですか?」
そんなに親しくない私とN。しかもいきなり髪引っ張られちゃあ不愉快極まりないってもんです。
ヒールの高いブーツを履いていた私は、自然とNを見下ろす形に。
彼女の頭頂部付近にフケが溜まってるのが見えて大変不愉快だったのを未だに覚えてます。
Nはぼそぼそ何かしゃべってます。聞き取りづらい声でした。
「何で…なんであんたみたいなのがOさんと一緒にいるのよ。Oさんが迷惑してるって、わからないの?」
…はあ?!
いきなり何言ってんだ!?この女は!?
「あの。いきなりなんですか?」
「Oさんはあんたに騙されてるのよ。そうじゃなきゃOさんがあんたみたいな変な子供を相手にするわけないでしょう?」
油ギッシュな前髪の間からじいいいいいいっと私を上目使いに見上げるN。
変なのは、君じゃないんか?…突っ込みたくても、突っ込めませんでした。怖くて(泣)
頭の中で危険なエラー音が、みーみーと鳴り響いてます。
その時、いいタイミングでOの車が走ってくるのが見え、私はその場に居たくなかったので猛ダッシュかましました。Oの車に。
駆け寄って飛び乗って「早く!早く行って!!」とせかす私にOは驚いてましたが、そのまま車を発車させてくれました。
気持ち悪いわ、怖いはでちょっと混乱していた私に更に追い討ちが。
「M(←私の名前です)!お前髪に…何これ!?ガム付けられてんじゃん!!」
ぎゃああああ!!!気持ち悪いっちゅーねん!
ここから、私とOの、Nとの戦いが始まったのです。
(2/5)
862854:02/01/03 03:20 ID:tr3Cao8v
それから数ヶ月でえらい展開が起こりました…。
Oの会社になんと、Nが中途入社してきたのです。
Oの話を総合すると「ある日、昼飯くいに社食行ったら社食の入り口にいきなりNが。(ぎゃああああ!!)
とにかくビックリしたが何でここにいるのかと聞いたら『Oさんと同じところで働きたくってー』と言われた(泣
)しかもNの手には二人分の弁当(勿論手作り)が。しかも『これで誰にも邪魔されずに帰りに二人っきりでお茶に行ったり出来ますね(はあと)』と言われた…」
Oの顔は蒼ざめてました。
10年前です。まだストーカーって言葉も一般に知られてません。
そりゃあコニーがいきなり自分の会社まで追っかけて来て手作り弁当持ってくりゃ怖いよな、O。
しかもこのN、毎日昼休みに弁当持ってOを待ち続ける。休み時間にはいつもOのいるフロアに押しかける。終業時間になるとOの車の傍でOを待ってる。
さすがにビビったO。同僚の強い後押しもあって(←さすがにNはヤバイと同僚も思ってたらしい)
何とか仕事も忙しいし学生みたいなノリはちょっと…。と申し出たら今度は毎日、車のワイパーにお手紙が挟んである、と。
しかも半泣きでOが私に見せてくれた手紙。
中見て私は思わず笑っちゃいました。
…笑うしかないでしょう、Nは前世厨だったんですから。
内容としては「自分とOは前世で恋人同士。それが邪神に引き裂かれて(何かNとOは対の神らしい…)
今世でやっとめぐり合えた。しかし邪神の力でOの記憶は奪われてる」
「自分はずっとOを探して転生を繰り返してきた。貴方の記憶を私はきっと取り戻すから」だって。
しかも、私はいきなり邪神の僕になってるし。おいおい。(Oを誘惑しとるらしい)
そんな前世ピコピコ系のお手紙が毎日ルーズリーフ3〜5枚。細かい字でみっちりと書かれてOに送られていたと。
私は当時「花夢」で連載されてる某前世漫画のあらすじがこの時頭を回っておりました。
そして、この手紙を見せられた数日後に事は起こったのです。
(3/5)
863854:02/01/03 03:22 ID:tr3Cao8v
その日は土曜日。しかもOのお誕生日。
ちょうどお互い好きなバンドのライブがあったので私達はライブ後軽く食事会をしてました。
他の友人を含め8人程で楽しくお祝いをし、お開き後、私とOは二人でOの家に向かいました。
Oは当時一軒家に一人暮らし。
二人でお祝いかたがたオールで萌え話でもしようじゃないかと。
家に酒がないと言うので私はOの家のちょっと手前のコンビニで降ろしてもらいお買い物をすることに。
Oは先に家に帰って部屋を暖めて待ってると言いそのまま自宅へ。
約十分後。O宅の玄関を開けた直後、私が聞いたのはOの悲鳴でございました。
玄関開けた瞬間にものすごいOの悲鳴。どう聞いてもただ事じゃない。
私は思わず、人の家というのに土足のまんまOの家に上がりこみましたよ。
…びっくりしましたね。
自室の床に腰を抜かしたO。そして、OにのしかかるN。
いきなりNがいたのにも驚きましたがそれよりびっくりしたのが。
…全裸なんです。N。
皆さん、自分の友人に、推定90kgのコニーが全裸でのしかかってたらどうします?
私はフリーズしましたね。はっきり言って。
なんじゃ、こりゃ。と。
そのまま固まること約十数秒。Oの絶叫と恐怖の余りOが私にしがみついてきた衝撃で我に帰りました。
Oはショックに目がうるうるしてます。顔は赤くなったり青くなったりを繰り返してます。
Nは何だか私には聞き取れない言葉を叫んでいます。所々聞こえる日本語のような単語から察するに私に騙されるなとOに言っている様子。
私は私で頭が混乱していてやっと言った台詞が
「…O…これ…あんたが剥いたの?」
Oの違うー!!と言う悲鳴が今でもかーなり鮮明に記憶に残ってます…。
Nは相変わらず意味不明な言葉を叫んでます。
腕を振り回しながら叫んでいるんですが…その度に…肉が揺れるんです…ぶるぶるぶるっ…って。
(4/5)
864854:02/01/03 03:25 ID:tr3Cao8v
今まで見た中で、かなりの衝撃でしたね。全裸のコニーが肉揺らしながら叫ぶのは(泣)
怖い。半端なホラー映画より怖い。
卒倒しそうでしたが私より更に取り乱したOを抱き締めてる手前、ここで倒れるわけにはいかん!と私は気力を振り絞って目の前の物体を凝視してました。
Nは更に金切り声を上げてます。そしていきなりでした。
「…Oを…●△×(←Oの前世の名前らしい)をかえしてえええっ!!うおおおおおおお〜ん!!」
うお〜んって言うんですよ、本当に。
涙と鼻水で顔ぐちゃぐちゃにしたN。私とOめがけて飛び掛ってきました。…当然全裸。
「ぎゃああああああ!!!!」
私…とっさに履いてたピンヒールでNに蹴り入れました。
ライブ帰りでよかった。当時バブルの残り火でボディコン・ピンヒールで本当に良かった。
普段の靴じゃ負けてました…きっと(泣)
そのあとはもう大騒ぎ。Oの家は実家の敷地内に離れとして立ってましたが家族来る。ポリも来る。近所の方も来る。田舎町、それは大騒ぎに。
何でも、Oの話によると家帰ってストーブつけて、先に着替えようと自室に行ったらなんか妙にベッドが盛り上がってて、何気なく布団めくったらNが全裸で寝転がってた、と(泣)
戸締りもしてたはずの離れになんでNが進入できたのかは警官により判明したのですがサッシ外して入ったと…。外すなよ!夜中にサッシ!!
この1件でNはOの会社を退職、その後入院したらしいです。
10年前は「これを超える出来事なんかもうないだろう」と思ってましたが…ここに来て自分の経験なんかぬるかったと思い知りました(泣)
怖い…厨って怖いよお(号泣)

長い話にお付き合いありがとうございました。