【さよなら】新★豚丼伝説【牛丼】

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375名無しさん@お腹いっぱい。
BSEが問題になる前の話だよ。。。

俺が消防だった頃、「豚丼ってウマイよね!」
と友達に言ったら「ハァ?なんだそれ?」と言われたんだ。
俺は友達の反応に愕然とした。
俺の両親はちゃきちゃきの帯広っ子だったのだが、
俺が生まれ育ったのは千葉だった。
俺は必死になって豚丼はどう言うものかを説明した。
しかし、あの甘辛いタレに付け、ほんのり焦がした香ばしい肉の美味さなど
消防の俺には表現しようが無く、あげくその友達に
「そんなのねーよ!勝手に創ってんじゃねーよ!」と。
・・・傷ついたよ、消防の俺には耐え切れないほどの傷だった。
俺は家に帰っておふくろに大泣きして当り散らした。
その時のおふくろは「ごめんね」って言ってたっけ。

でも、豚丼は俺の大好物だった。
友達には信じられなくても家では普通の食事だったし、
俺から作ってくれとねだることもあった。
『豚丼は家しか無い物なんだ』
そう幼心に刻んで。

それから十数年。
牛肉が消えてから、俺は信じられないメニューを目にする事になってしまった。
今まで禁句としてきた豚丼が巷に溢れ出した。
俺が知っている豚丼とは全く別物の豚丼。
正直、俺はその豚丼を偽物として口にして来なかった。
昨日までは。

今日、なんとなく・・・そう、なんとなく・・・
目の前に出てきた偽物の豚丼。
一口食べた。
涙が出てきた。
見た目から全く違う豚丼。
違うのは判っていたのに。

正直、後悔した。
半分も食べられず店を出た。
店員に涙を見せないように。

だから自分で作ってみた。
だけど・・・違った。
自分の知っている豚丼はそこには無かった。
豚丼の作り方・・・聞いておけばよかった・・・。
僕の本物の豚丼はもう二度と食べることの出来ない物になっていたことに気づかされた。
どうしようもない悔しさに、今まで泣いていた。