俺は貴乃花を否定はしていない。
むしろ、亡くなった親方のためにも頑張ってほしいと思っている。
牙を出すのはいつでもできる。今はその牙をじっくりと研ぐ時期だ。
親方の葬儀という、今までの暗い醜聞を一蹴する大きなチャンスに
あんなコメントして再び自分の株を下げる必要なんてない。
「兄に全てを任せします。私の夢は、亡くなった親方と同じように
相撲の素晴らしさをたくさんの人に見て知っていただくことです。
今後も兄と手をとり合って、相撲を盛り上げ、後進の育成と相撲道の
探求に励みます。皆様には親方のご冥福を祈っていただけると同時に
是非とも国技館へと足をお運びいただけますようお願い申し上げます」
これは大袈裟だが、これくらいの口上を述べれば、協会の人間も
周囲の人間も貴乃花を認めるようになるし、兄にも貸しを造れる。
これくらいのしたたかさがないと改革など成功しない。
大きな仕事を成し遂げる男には清濁併せ呑むくらいの気概がなくてはならない。
それが善か悪かではなく、自分の信念を一時でも曲げる勇気を持つことが肝要。
それと同時に、変なパーマをすぐさま落とすことが更に肝要。