【SD劇場】叔父様と愉快な仲間達【第十幕】

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>861の続き。
  制服ミミ魔 「どういう事でしょうっ?!ゴスサラさんが行方不明ということですかっ?!」
スタッフから予備のマイクを貰い、マーマに詰め寄る制服ミミ魔と制服ナナ魔。
  制服ナナ魔 「これは大スクープの予感ですよーっ!
         大舞踏会を直前に控え、第一夫人最有力候補が失踪?!」

  司   「(ま、まずいぞ。報道陣に詰め掛けられたらこっちも動きにくくなっちまう!)
        い、いえ、違うんです。ちょっとカメラ止めてもらえます?」
押し掛けるカメラの前に手をかざす司。
宮殿の中から騒ぎを見ていた叔父様が顔を出す。
  叔父様 「サラノマーマ様。ゴスサラお嬢様の舞踏会用の仕立てドレス、御試着の準備が整っております」
宮殿の中、黒ナーが声色を使う。
  黒ナー(ゴスサラ声で)「とっても素敵なドレスでつ・・・ですわー。舞踏会がますます楽しみでつ・・で、ですわー」
  サラノマーマ「まぁ、ゴスサラちゃんっ!!
         そのドレスはママが先日物故んだ(マイクを放り出し、報道陣を押し退けて宮殿に駆け込む)」
  叔父様 「(カメラ目線)我々は舞踏会に全力を尽すべく、現在忙しい身なのです。
       サラノマーマ様も、見ていただいた通り少しお疲れの様子。お引き取り下さい、舞踏会で御会いしましょう。
  凌   「(扉の奥から)叔父様、司さん、エスコートの練習があるので中に。」
  司   「は、はいっ!」
バタン。と、閉じられるゴス宮殿の扉。残される報道陣。

  制服ナナ魔 「視聴者のみなさま、ごめんなさいっ!本日もゴスサラさんのお姿を捕らえる事は出来ませんでした!!」
  制服ミミ魔 「でもお声は聞けましたね!ゴス家もかなーり気合いが入ってる様子です!」
  制服ナナ魔 「舞踏会用のドレスも楽しみですね!」
  制服ミミ魔 「制服ミミ魔とっ!」
  制服ナナ魔 「制服ナナ魔のっ!」
  制服ミミ魔ナナ魔 「「『時の狭間の大舞踏会』裏方突撃隊!!」でしたっ!」

  セシル 「…叔父様もいる」
  四郎  「…凌の声も聞こえたんだが」
Vたまの名前勝手に決めちゃってごめん、なんとなく強そうでいいかなと思って…。
>865
漏れもV様の名前、ヴィクトリアって想像してたよ。
サッカー選手の嫁じゃなくて「ヴィクトリアンエクセ(@ジェニー)」のイメージで。
ヴィクトリアといえば大英帝国のヴィクトリア女王。
強そうだ…。
868今度は魔界で大冒険?!:04/12/15 12:55:26
「ふぁぁ〜」
大魔王宮殿、魔界とは思えない程白で統一された水晶姫の部屋。
氷の柱に閉じ込められたデカ健が大あくびをする。

デカ健 「そろそろ監禁ごっこも飽きたなー。出してくれない?」
水晶  「だから出られないと言ったであろう」
デカ健 「方法がないわけでもないと言った」
水晶  「教えないとも言った」
デカ健 「なぞなぞ遊びか。頭使うゲームは苦手なんだよね」
水晶から興味をなくしたように、ぼんやりと部屋の中を見回すデカ健。

水晶  「(どうして動じないの?今までこの柱に閉じ込められた者たちは
     そう、私の心を魅了した数少ない男たちは、口先だけで愛を語り心の底から助けを乞うたわ)」
不思議な物を見るように、水晶はデカ健から目を離せないでいる。

デカ健 「そうだ、「愛する者を死にいたらしめる」って言ってたね」
水晶  「そうよ。貴方はこの中で死んでいくのよ。恐ろしいでしょう?」
デカ健 「好きなのに殺しちゃうんだ?」
水晶  「だから私は来るなとも言うたと…」

デカ健 「かわいそーだね」
水晶  「…え?」
デカ健 「こんな冷たい壁を隔ててじゃ、好きって気持ちは届かない。
     だけどこんな風にしか表現出来ない者もいる。君の意志かどうかは知らないけどさ。
     魔界は管轄外だけど……美加が知ったら悲しむだろうな」
水晶  「(口にされた女性名に眉を潜める)美加?誰なの、それは」
デカ健 「ヒ・ミ・ツ。君もなぞなぞの答え教えてくれないしね」 
闇ミカの実家。皆の帰りを待つリヒトとゴスサラ。部屋のテレビがついており、冷や汗をかくゴスサラ。
ゴスサラ 「や、やばいわ・・・ ちょっと見ないうちにいったいどうなってんの?
       何でうちの実家に叔父様やら黒ナーやら、あげくには凌君やら司くんまで・・・」
リヒト 「一回帰ったほうがいいんじゃないかい?ゴスサラ」
ゴスサラ 「でも! 一回帰ったら、そのまま二度と出てこられないわ!一直線に大魔王にお嫁入りよ!」
リヒト 「そうだよなあ・・・」

「リヒトさん!」

そこに突然、虚空から声が響く。間違えようのない、なつかしいめぐの声。
リヒト 「めぐりん!」
ゴスサラ 「めぐ! 心配したのよ! 今何処にいるの!」
めぐ 「ごめんなさい、今はまだ話せません・・・ とにかく私は無事です。
    時の狭間にはきっと会えますわ。心配しないで・・・」
リヒト 「めぐりん!」
それきり声は聞こえない。放心したように座り込むリヒト。
リヒト 「めぐりん・・・声は元気そうだったが。どういうことなんだ?
     何に巻き込まれちまったんだ?」
ゴスサラ 「声だけを届ける魔法ね。それにしても、結局めぐをさらったのは・・・」

そこに突然扉が開く。めぐのことに気をとられていたので、ゴスサラが身を隠す暇もない。
ミカノパーパ 「これはこれは・・・ゴス家のサラ嬢。我が家に足をお運びとは、捜す手間が省けました」
ゴスサラ 「闇ミカのお父様・・・」
パーパ 「私は決意しました。今までの経緯を水に流し、宿敵ゴス家の貴女を我が家の嫁に迎えようと」
一瞬場は静まり返る。
リヒト 「なんだってーーー!!」
ゴスサラ 「私が、闇ミカのお嫁さん? そりゃうれしいけど心の準備が・・・!」
パーパ 「貴女からお母君に呼びかけてもらえませんか。長年の怨念を忘れよう。私は闇ミカの元に嫁ぐ、と。
      大魔王は、花嫁候補を奪われお怒りかもしれないが、何、他にも女はたくさんいる。
      それに貴女が聖眼の女児を生んでくれれば、あの人間の子供は不要。
      あの子を大魔王に捧げれば、大魔王も快く結婚を許可してくれることでしょう」  
山小屋にて、奇妙な共同生活を続ける人間と魔女、そして天使と魔族。
ひすい 「めぐ、ほんとにいいの?これだけで・・・」
こはく 「いいんだよ。何なら会いに行っても・・・」
めぐ 「いいのです。きっとわかってくれます。そういう方々です、あの人たちは」
白蓮が微笑む。廃魔女Oは鼻をならす。
13ミミ 「ま〜、わかりあっちゃってて。うらやましいこと」
めぐ 「あなたは今まで一人も巡り会うことがありませんでしたか? 心を許せる存在に。
    そういえば13ミミさんの姿ですがあなたは13ミミさんではないので名前を教えていただけますかしら」
13ミミ 「・・・死んだわ。大昔の話。名前ね・・・Oの名は奪われたままだし。
      生まれたときに親がつけた名前はあるけど・・・ボソボソ」
めぐ 「?」
13ミミ 「・・・オーロラ」
ひすい 「Aurora?! Oじゃないじゃない!」
こはく 「しかもゴス家だろ?ゴスサラとかゴスナナとかゴスキラとかの間にゴスオーロラ?
     濃いよ、その名前・・・」
13ミミ 「ちゃんとrの後にoがあるだろ! それにOの名前は家名のgOoth家からきてるんだよ!」
こはく 「家名も濃かったんだね・・・」
めぐがくすくす笑う。
めぐ 「わかりましたわ、オーロラさん。よかったら手伝ってくださらない?
     ご飯の支度をしましょう」

白蓮 「(こうしていると、魔族も魔女も人間も、何の違いがあるんだろう。
     どうして争わないといけないのかな。
     私、今度こそしっかりこの目で見定めなければいけません。
     真に戦うべき相手、それは一体誰なのかを・・・)」
ハイランド。マリオはひとり魔法陣を描く。
目に涙はない。顔に表情はない。そして声に感情もない。
マリオ 「・・・できた。魔界への転移魔法陣。
     時の狭間直前、あちこちで境界が消えかかってるから、僕の力でもできた」
魔法陣が光りだす。ためらわずその中に入る。
マリオ 「・・・たったひとりの家族なんだ。
      マリーのほかに僕には誰もいないんだ。
      お願い、僕からマリーを奪わないで」
魔法陣と共にマリオの姿も光りだす。そして、その光が消えそうになる瞬間。

女神美加 「いけない! あの少年が魔に呑み込まれてしまう!
        椿、許可します。彼と共に魔界に行くのです!」
椿 「はいっ、美加様!」
椿もあわてて魔法陣に飛び込む。椿が入ったと同時に魔法陣は消滅する。

女神美加 「いよいよ始まる。時の狭間が・・・
       ここから先のことは、誰にももうわからない。
       皆、小さな勇気を手に、大きな愛を胸に抱き戦って・・・」
872 :04/12/15 20:48:51
ところで鷹目石って、SD少年なのかな。MSD少年なのかな。
闇ミカの実家にて。

ゴスサラ「そんな…そんなこと、できるわけないじゃない!
     私の代わりにエルシーちゃんを大魔王に差し出すって言うの? 冗談じゃないわ!!」
パーパ 「大儀の前に犠牲はつきもの。人間の子供一人、何を気にすることがある?」
ゴスサラ「大ありよ! 人間界にはあの子が愛し、あの子を愛する人たちがいるわ。無事を祈って待つ人たちがいるわ。
     それに今、あの子はこの家の魔女に自分の運命を差し出そうとまでしているのよ? 
     私だってエルシーちゃんが大好き。あの子を人身御供にして、自分だけ幸せになんてなれない!!」
眦をつり上げ、パーパを睨み付けるゴスサラ。
ゴスサラ「……決めたわ。私はゴス家に帰る。帰って、大魔王の舞踏会に出席する」
リヒト 「ゴスサラ! 今帰ったらもう……!!」
ゴスサラ「リヒト。闇ミカに、さよならって…伝えて」
毅然とした表情で、ゴスサラはマントを翻す。足下から黒い霧が立ちのぼり、その姿がコウモリの姿に変わっていく。
ゴスサラ「ミカノ家の当主よ。我がゴス家とミカノ家の確執は消えることはない。永遠に…」

黒い霧に包まれる最後の瞬間に見せたのは、頬にこぼれるひとすじの涙。
リヒトの叫びも空しく、コウモリの姿になったゴスサラは開いた窓から飛び出していってしまう。
立っていた場所には、彼女の涙が結晶したかのような、見事な黒真珠が残されていた。
パーパ 「……愚かな娘だ。せっかくの機会をふいにするとは」
パーパもまた、リヒトを残して去っていった。
リヒトは床に落ちた黒真珠を握りしめ、叫ぶ。
リヒト 「闇ミカ、早く帰って来い! ゴスサラと二度と会えなくなっちまうぞ!!」

その頃、魔女Lの住処にて。ふと何か聞こえたかのように、闇ミカが顔を上げる。
闇ミカ 「……ゴスサラ…?」
>871
マリオたん、目の前で大切なマリーを連れてかれてつらかったろうね。
いろんな思いを噛み締めながら一人で魔方陣描いてたのかと……・゚つД`)゚・
里褐色肌の子はいつか出てくるのだろうか。
鷹目石。なんとなくだけど、里ミニチョ13番褐色肌ロング脚、
ひれ耳?を黒く塗って悪魔耳にして、アイは金のキャッツアイ系
……で、想像してた。
魔王の息子どもはナチュラルに褐色肌で想像しちゃってたよママン orz
そうか。上二人は普通肌ケテーイだったのね。
「美白」と明らかに書かれているのは水晶姫だけだから、まだ褐色肌の可能性はあるとおもう。
辰砂はキャプテンにソクーリ設定だけど、肌の色は褐色でも悪くはないと思う。
闇の中を一人漂う13ミミの姿のO。姿なき声がそこには響いていた。
「エル、エル、可愛い子。なのに何故こんな事に?・・・お前のせいだ、お前が殺したんだっ!」
(違う、私が大好きなあの子を殺すわけないっ!あの時私は一生懸命手を伸ばしたっ)
「魂の再生は魔界でも禁呪、この研究を止めなければ一文字は剥奪する。」
(ならば魔王よ、お前も味わうがいいっ!大切な物を失った悲しみをっ!!)
『何処にも居場所はなく、人を呪い、陥れ、憎まれさげすまれて生きながらえる』
くり返される呪文に耳をふさぐ。

13ミミ 「もう少しで貴女を取り戻せる。一文字を返してもらい魔力が戻ればまた貴女に会える。」
暗闇に向かって呟く13ミミ。ふと目の端に暖かい光が入ってくる。
そちらに視線を移すと少女が小さな女の子を抱き締めていた。

アナイス 「エル、彼女は貴女にとってとても大切な少女だったのですね。」
アナイスが抱き締めている少女を見て目を見開く13ミミ。
13ミミ 「…!…エル。」
13ミミの横を小さな少女が泣きながら走っていく。
オーロラ (私はエルを殺してない。一生懸命手を伸ばした。…でも彼女は私を巻き込まない為
    その手を…。)
アナイス 「貴女は悲しい人。悲しい時に誰にも手を差し伸べて貰えず、大丈夫だよと
    キスもして貰えなかった。」
エルから離れて今度はオーロラを抱き締めるアナイス。少女のオーロラは光と一緒に消えて行く。
エル 「アナイス、あの子が泣いているの。私のせいで泣いているの。」
エルの言葉にゆっくりと振り向くアナイス。
アナイス 「…オーロラ、悲しい人。悲しいままずっとひとりぼっちだった。」
13ミミを抱き締め額にキスをするアナイス。気付くと魔女Oの姿は13ミミではなく老婆になっていた。
パチリと目を覚ます13ミミ。小屋の外で月を見ていたまま眠っていたらしい。
頬に流れる涙に気付き、胸のペンダントを掴んで鎖を引きちぎる。
13ミミ 「私の心に入って来るなっ!!」
ペンダントを小屋の壁に叩き付けようとする。
アナイス  (オーロラ、貴女の悲しみが私を心に招き入れたのです。)
13ミミ 「黙れっ!」
アナイス  (オーロラ、まだ間に合います。こんな事をしても魔女Lや貴女のような人を増やすだけです。)
13ミミ 「命乞いか…。」
薄く笑って首を横に振るアナイス。
アナイス  (貴女が寂しいと言うのなら、私は貴女の傍にいます。あの少女の代りにはなりませんが
     貴女が寂しくなった時、貴女抱き締める事はできます。貴女が泣きたい時におでこに
     キスをしてあげられます。でもお願い、13ミミちゃんの体だけは返してあげて)
13ミミ 「…やさしいわね、アナイス。良い事を教えてあげる。あのお姫さま達の話を
     聞いたでしょう。二人の母親は魔界屈指の魔力の持ち主だったわ。それでも体と魂を
     引き剥がされてたった一月で衰弱してしまった。なら魔力もない人間の少女が魂のままで
     どれくらいもつかしら?」
アナイス   (!!)
13ミミ 「このペンダントの様な魔具があったとしても1週間もてばいいほう。なければすでに魂は
     消滅していることでしょうね。」
13ミミの言葉に崩れ落ちるアナイス。手で顔を覆い、肩を震わす。
アナイス    (そんな…そんな事…。)
無表情でペンダントの中のアナイスを見つめる13ミミ。
13ミミ  「…可哀想なアナイス。お前も私と同じ、大切な人を救えなかった。」
魔界の大きく青い二つの月が哀れな魔女を静かに照らしていた。
>873
ゴスサラ、カコイイ・・・ 惚れたよ
ちょっと調べてみた

○Diane(ディアーヌ)
フランス語、英語読みだと「ダイアン」
ローマ神話の月の女神Diana(ディアーナ、ギリシャ神話だとアルテミス)から

○Victoria(ヴィクトリア):
英語。ローマ神話の勝利の女神(ギリシャ神話のNike(ニケ)に当たる)
フランス語読みだと「Victorine(ヴィクトリーヌ)」

○Aurora(オーロラ)
古代ローマ神話の「アウロラ」(曙の女神)から。


偶然なんだろうけれど、見事にローマ神話の女神様がそろったねー。
単純に凄いや。
883今度は魔界で大冒険?!:04/12/15 22:59:00
食堂を出て、作戦会議をする海賊+学生たち。
くん 「私の案内はここまでです。大魔王宮殿に入る手段は、自分たちで考えてください。
    もっとも後二つ契約が残ってますから、『手引きをしろ』と言われて拒否はできませんが」
シルビー 「もぐりこむ手段くらい、何とか考えましょ。
       この先何が起こるかわからないんだもの、あと2つの願いは取っといた方が賢いわ」
セシル 「そうだね。とはいえこの大人数。怪しまれずにもぐりこむには無理がありすぎるよ」
レオナ 「見なさいな、あれ」
町中にべたべた貼られてある、『メイド募集』と『芸人募集』のポスター。
レオナ 「向こうから呼んでくれているのよ。これを使わない手はないわ」
ルカ 「『メイド』に『芸人』・・・。 どっちにするんだ?」

猫のためにミルクをもらいに行っていた四郎と勲が帰ってくる。
四郎 「だめだ・・・飲んでくれない」
勲 「ぐったりしてるな。・・・俺が魔界に連れてきたりしたからか・・・」
ミミ猫 「(お願い、誰か私に気付いて。私の名を呼んで。そうでないと私・・・)」
884今度は魔界で大冒険?!:04/12/15 23:23:58
眠のの 「セシルとキャプテンはダンサーのスキルがあるんだから芸人ね。
      勲君もバンドのボーカリストだから芸人。
      四郎のあれも…まあ、芸と言えなくもないから芸人枠に入れておきましょうか。
      案外魔族にはウケるかも知れないしね」
四郎  「…どういう意味だよ」
11番  「私と8番先輩とレオナさんと教室先輩はメイドですね」
レオナ 「異議ないわ。色物は色物キャラに任せましょう」
ルカ  「待て待て、四郎はともかくイサイサは普通に歌上手いんだから芸人=色物とは言い切れないだろ」
シルビー 「っていうか教室のメイドって色物でしょ」
9番  「俺はどうしよう、8番?」
8番  「お妃候補の写真を撮る肖像写真家っていう触れ込みはどう?
     ついでに心霊写真も撮っちゃえば掴みはバッチリよ」
眠のの 「お茶菓子作りが得意な人求むって書いてあるから私もメイドにしておくけど、
      ルカはどうする?何か特技あるの?」
ルカ  「ん〜〜〜リフティングとかどうだろ?」
眠のの 「魔界で珍しがられるかどうかは分からないけど、無いよりはいいわ。芸人になって」
シルビー 「ねえねえ、じゃああたしは!?」
キラキラした目で一同を見回すシルビー。
難しい顔で腕組みして考えこむ一同。
キャプテン 「このぶきっちょ女をメイドと言い張るのは無理有り過ぎだよな」
レオナ  「芸人て言えるほどの特技もあったかしら」
11番  「音を聞いただけで落としたコインの枚数を当てられるのは特技ですよね」
8番  「あ、宝石の真贋鑑定を野生の勘だけでやってのけられるのも特技じゃないですか?」
シルビー 「……あんた達があたしをどう見てるかはよくわかったわ。
       後で覚えときなさいよ(#゚Д゚)」
海賊・学生チーム
厳しい状況下でありながらいつもの姿勢を忘れない所が好きだ…w
>882
基督経では他の信仰、特に母系信仰の女神たちを
魔女として貶めた歴史があるから
偶然にしてはすごいなとオモタ。
職人様方、GJです。
887今度は魔界で大冒険?!:04/12/16 01:10:29
魔女Lの館。エルシーは勇気を振り絞って魔女に話しかける。
エルシー 「まじょLさん。お願いします。綾おねえちゃまを元の姿に戻してください!」
魔女L 「よろしい。勇気を出してその幼い身で魔界までやってきたご褒美だ。
      私も魔女、口に出した言葉は守る。あの娘の魔法は解こう」
エルシー 「ありがとうございます!まじょさま、まじょL・・・」
魔女L 「言いにくいのだろう?おばあちゃんで良いよ。
      お前の目には、私の本当の姿も映っているだろうしね」
エルシー 「おばあちゃま。おばあちゃまの胸にある氷の塊はなんですか?」
魔女L 「・・・お前の目には見えるのだね。これは私の心臓。遠い昔に哀しい出来事があって凍り付いてしまった」
エルシー 「おばあちゃま、かわいそう・・・」
エルシーは魔女Lの胸に耳を寄せる。心臓の鼓動は聞こえない。何かがきしむような音がかすかにする。
エルシー 「どうすればこの氷は溶けるんですか?」
魔女L 「それよりお前の話だよ。何か他にも私に頼みがあるんだろう?」
その時卓上の水晶球がひときわ大きな光を放つ。そして、そこに映ったものは・・・

闇ミカ 「・・・あの、失礼ですが、もしかして師匠・・・?」

D 「ゴスサラから目を離したね。その間に、困ったことになったじゃないか」
水晶に次々に映し出される、先ほどのミカノ家の情景。
ミシェル 「ゴスサラさん!」
闇ミカ 「さっき感じた嫌な予感はこれか・・・」
きびすを返し、変身の呪文を唱えようとする。その手を魔女Lがつかむ。
魔女L 「私が行こう。なかなか馬鹿なことをしでかしてくれたようだね、お前の父親は。
     私がこの子を手放すとでも思ったか・・・ 痛い目に会わないとわからないらしい」
これでレギュラーメンバーで出てきてないのは、
スウィートドリームの寝ナナ寝ミュウだけか。
クリスマスだから忙しいのかねw
889今度は魔界で大冒険?!:04/12/16 02:09:03
大魔王宮殿、后候補達に与えられた個室が並ぶ一角。
その中の決して特別ではない一室。
鏡の前でシンディが多くのメイド達に囲まれ舞踏会用のドレスを試着させられている。
常日頃のシンディを知る者ならば驚くほどその表情には誇りも覇気も生気も感じられない。

シンディ (私とした事が、ぬかったわ。あの粘着ストーカー王子、実力だけはあるじゃない。
      この私の人格を中に封じ込めて、偽りの人格を植え付けるなんて。
      ったく、自分の思ったとおりに自分の体を動かせないって何て不快なのかしら。
      それに、声が出せないのも)

シンディの外人格は「人格」と呼べるほど確立したものでもなく、
言われるがままに行動するロボットのようである。
従順な淑女そのもののメイクとウィッグとドレスでシンディの外側を飾り立て、去って行くメイド達。

シンディ (声も出せないし印も組めないし魔方陣も描けないこの状況じゃ魔術は使えないわ。
      助けを期待しようにも、こんな見た目にされたら誰も私だとわからないでしょうし。
      もう、どうすればいいのよ!)

その時部屋の窓が魔術で開錠される気配がする。
?? 「ふぅん、上の兄上に『中の人』にされちゃったんだ。困ってるみたいだね、『神秘の歌姫』」
シンディ (・・・誰?私は今自分の意思で動けないの。この声が聞こえるなら、私の前に来て頂戴)
?? 「ははっ、『中の人』になっても威勢がいいね。いいよいいよ、その感じ」
窓を乗り越えて入って来、シンディの顔を覗き込んだのは一見して大魔王の子供とわかる少年。
(役者フルチョ指定:里18番ヘッド小悪魔系メイク褐色肌ノーマル少年ボディ)
?? 「ボクの言う事聞いてくれたら出してあげてもいいよ、おねえさん」
890今度は魔界で大冒険?!:04/12/16 14:02:23
海賊+中学生たち

四郎  「魔王本拠地に行く前に、ゴスサラんちいって、つかぴょんに会えないかな?」
セシル 「叔父様もいるから、何らかの理由でアナイスの事を知って、
     向こうは向こうで探しているのかもしれないね」
ルカ  「でも、あれって本当に本物なのか?
     13ミミの事もあるし、さっきのリポーターも制服ミミナナにソクーリだたけど魔族だったろ?」
四郎  「幼馴染み見間違うわけないだろ。
     それに、キャプテンやセシル、ルカクリと違って、俺ら超限定東京少年!
     ヴァージョン違いはないし、フルチョで似たのも作れないし…なぁ、イサ……」
勲   「俺、第2話がある(´ー`)」
四郎は屈みこんで、ぐったりしている猫に話し掛ける。
四郎  「……俺もつかぴょんもまだだもんな、あんな事いうイサイサは嫌いだよなー猫たん」
勲   「Σ(´д`)…ゴメン、四郎」
キャプテン「俺も本人である可能性は高いと思うが、家の場所もわからんし
      エスコート役、という言葉が聞こえたから、時の狭間には会えるだろう。
      こちらはこちらで動くべきだろう」
シルビー 「あたしは宮殿に入らないで外で情報収集してよっかな〜。
      ゴスサラんち探していってみてもいいしさ。
      それに、猫まで連れてけないでしょ」
四郎の目の前にいた猫を、ひょいっと抱きかかえる。
四郎  「そうだな…いい子にしてるんだぞ。元気だせよ、猫」
四郎が猫の頭を撫でようと手を出すと、猫も最後の力を振り絞るように前足を伸ばす。
ミミ猫 「(四郎、四郎…私、もうダメだよ。
     時間がないの…だったら時間切れまで、四郎と一緒にいたいよ)」
シルビーの腕から飛び出すミミ猫。四郎が慌てて捕まえる。
キャプテン「嫌われたな、シルビー(プ」
シルビー 「し、失礼ねーっ!このシルビー様が面倒みてあげようってのにっ!
      この猫、やけに四郎に懐いてるわよね」
勲    「ネコタン…(´ω`)」
ミミ猫  「みゅぅ…(四郎、ちゃんと、言いたかったな、私、四郎の事……)」
制服ミミ 「制服ミミとっ!」
制服ナナ 「制服ナナのっ!」
ミミナナ  「「『今度は魔界で大冒険?!』裏方突撃隊!!」」
マイク片手にキラーンとポーズを決める制服ミミと制服ナナ。

制服ミミ 「やったわね、制服ナナちゃん。私達も悪魔の尻尾と羽をつけて映画デビューよ!」
制服ナナ 「脇役どころかモブみたいなものだったけどね…」
制服ミミ 「気を取り直して!今回の魔界編、裏テーマは『囚われの姫と救う王子』でお送りしているわけですが」
制服ナナ 「今回はヒロインインタビュー第一弾として、綾さんと巫女ののさんの楽屋にお邪魔してみようと思います」

綾の楽屋の前にやってくるミミナナ。
中から楽しそうな綾の声と困惑したような巫女ののの声が聞こえて来る。

巫女のの 「綾様、このお衣装は背中が開きすぎではありませんか?」
綾  「そう?それならこっちにする?」
巫女のの 「こちらはこちらで丈が短くて脚が見えすぎなのでは…」
綾  「じゃあこっちなんかどう?足首まで覆うロングドレスよ」
巫女のの 「その代わり胸元が開きすぎです。もう少し地味で目立たなくて背景に溶け込めるお衣装で良いのですが」
綾  「もう、巫女ののちゃんも女の子なんだからもうちょっと着飾る楽しみを覚えた方がいいわ。
    せっかくモトが可愛いんだから、おしゃれしないと損よ。
    私みたいに大人になっちゃうと別だけど、若いうちは少し肌を見せる位が健康的でいいのよ」
制服ミミ 「あのー。お邪魔してよろしいですかー?」
綾  「駄目よ、女の子の着替え中に入ってきたりしちゃ…って制服ミミちゃんと制服ナナちゃんならいいわ。
    悪いけどカメラさんは遠慮してね」
制服ナナ 「お邪魔しまーす。ところで、二人で何してたんですか?」
綾  「打ち上げパーティー用のドレスを選んであげてたのよ。
    私の身の周りは純もより姉さんも13ミミちゃんもマヌカン4人も13少女ボディでしょ?
    ノーマル少女ボディの子に服を選ぶのなんて久しぶりで熱中しちゃったわ」
巫女のの (綾様、あなたの眼差しはハイクロ劇中で女官長アヤにきわどい服を着せてからかっていた
       まどか様と同じ輝きを見せていました…)
制服ナナ 「えー、さっそくインタビューに入ります。
       今回は綾さんは呪いをかけられミニっこになってしまう役、巫女ののさんは深い眠りについて
       王子様の助けを待つ役、とヒロインの王道を行く役柄ですよね。
       お二人共今のお気持ちはどうですか?
       やっぱりロマンチックなシチュエーションにドキドキ(はぁと)ですか?」
綾&巫女のの 「(顔を見合わせて)………暇です」
制服ミミ 「…はい?」
綾  「冒頭でミニっこになってからはずっとみどりが私を演じてるから、出番が無いのよねぇ…」
巫女のの 「私も、もうずっと寝っぱなしで…」
制服ナナ 「え、えーと、役柄としてはどうでしょう?」
綾  「私、長女なんだからしっかりしていないといけないのに、小さくなって記憶まで退行して
    皆に危険な思いをさせて。自分が情けないわ」
巫女のの 「私も自分の力が及ばなかったばかりに皆様の足手まといになってしまい申し訳ない気持ちでいっぱいです。
       次はこんな不覚をとる事の無いよう、より一層修行に励まなければなりません」
制服ミミ 「(そっか、この二人は雰囲気に酔うより責任感感じて凹むタイプだっけ)そんなに落ち込まないでください。
       今回はあのD様ですら捕まっちゃうような空前の大ピンチ展開なんですから!」
制服ナナ 「そうそう、お姫様がピンチに陥ってこそ王子様は輝けるんです!」
制服ミミ 「でも、綾さんの王子様って輝いてたっけ」
制服ナナ 「パソコンいじったり美加ちゃんにキモがられたりしてた記憶しかないわ」
巫女のの 「そんな事はありません。この後のクライマックスできっと司様も銀ミカ様も怒涛の大活躍をなさいますよ」
綾  「もう、まだ司君や銀ミカが王子様と決まったわけじゃないでしょ(赤面)」
銀ミカ 「綾、二人揃って降臨した時から僕達は運命の赤い糸で結ばれているじゃないか」
司  「綾さん!俺もハイクロと同じ未来を築けるよう頑張ります!」
キャプテン 「お前ら女の楽屋に入ってんじゃねーよ!おら、とっとと出てけ!」
制服ミミ 「……この人たち、何処から入ったのかしら」
制服ナナ 「本当にこんな王子様で大丈夫なのか!?囚われの姫たちの運命は!?
       以下本編へ続く!」
他スレにここのネタ持ちこむのは駄目だけど、
他スレのネタをここでちょっとだけ話題にするのは前例があるからいいかな…?

叫べスレのエルシータンネタ。
なんだかこのスレのエルシータンとかぶって、うるうるきそうだったよ…。
舞踏会会場・急ピッチで準備中。

遠夜「ああ、その椅子はそちらの奥です。数を間違えないでください。そのグラスはあちらに並べて。
   食器の数が足りない? 今すぐ業者に届けさせなさい。蝋燭が足りない? 城下町に蝋燭屋はないんですか!」

Vの上層部への裏工作

V 「あの背の高い新人さん、とってもおいしいお茶を淹れてくれるのよ。お茶菓子の味や彩りも文句なし。
   食器の選び方なんてもう最高。魔族の連中よりもよっぽど美的センスがあるの。手際も見とれるくらい素敵。
   それに比べて、この準備の遅れ具合は何? このカーテンにあのテーブルクロスの色は、ぜんっぜん合わないわよ。
   無能な責任者に、色彩コーディネート検定でも受けさせるべきだわ。
   あのトリカブトだかジギタリスのお茶も、もううんざり。ドクダミやセンブリのケーキも最低。
   こんなのに舞踏会まで任せられるの? さぞ悪趣味で下品な晴舞台にしてくれるのでしょうね。
   あんな無能を雇うほど人材が不足しているなら、彼を下っ端にしておくなんてもったいなさすぎるわ。
   彼にこの会場を任せたら、甘夢シリーズだって目を見開くくらい、素晴らしいものになるわよ。
   舞踏会も大盛り上がり間違いなし! 大魔王様の妃第一候補、V様が保証するわ! 
   っていうか即刻現場監督交代決定!! 文句はあるわけないわね?」

・・・により、舞踏会会場の設営監督にまで驚異の昇進を遂げた遠夜。
鷹目石のご指導でうっすら焦げた下っ端悪魔たちを巧みに操り、会場は上品かつ華やかに飾り付けられていく。
今までの遅れを取り戻したばかりか、余裕すらできはじめている。

クリス「ドジな店長さんとばかり思ってたんだけど、意外とらつ腕なんだねぇ」
遠夜 「のんびりしている時間はありません。会場全体に、気取られないようVさんの魔方陣の布石を敷くんです。
    私は魔法がわかりませんから、一瞬の気の緩みが命取りになります。
    (スケジュールファイルの書類をめくる)・・・おや」
クリス「どうしたの?」
遠夜 「そろそろ動き出したようですね。新人さんが大勢お着きです。
    クリスさん、新人さんたちをV様のもとにご案内してください。
    退屈しておいででしたから、芸人さんの歌とお喋りで気を紛らわせていただきましょう。
    それから、一人はお菓子作りが大変お上手な女性ですよ」
クリス「お菓子・・・それじゃあ・・・!」
遠夜 「ええ。あなたの荷物を渡して差し上げてください。ああ、あともう一つ。
    適材適所として思ったのですが、あなたは彼女に荷物を届けたあと、芸人課に異動とします。
    歌い手さんや踊り手さんたちの力になってあげてください。全てはこれからです」
寝ルカ「(燭台磨き中。磨きながら、表から見えない所にに小さな石を貼り付けている。)始まりますね。いよいよ」
遠夜 「はい。我々も負けてはいられません。できる限りのことを、精一杯頑張りましょう」

遠夜はよくとおる声で、会場全体に号令をかける。

遠夜 「この燭台は舞踏会の儀式に使用する大変貴重なもので、1本でも壊すと全員の首が飛ぶうえ、
    魂は千年の牢獄に繋がれます!
    細心の注意を払い設置したあとは、絶対に触れないように! 命の保証はありません!!」

寝ルカ「(Vさんから預かった魔法の石を付けて、きゅっきゅっきゅっ…と。ガシャ!
     あ、細工がひとつ取れてしまいました)」
遠夜 「(この程度、ご飯粒でくっつけておけばわかりませんよ)」
荒夜 (こいつら・・・・・・マカセテダイジョウブナノカ…)
ご、ご飯粒・・・・・わらた;
897今度は魔界で大冒険?!:04/12/16 21:32:02
ヴィクトリア女王時代のようなクラシックなメイドの制服を着込み(もちろん教室君も)、
メイド心得の訓辞を聞かされている、メイド組。
退屈な話を長々と聞かされるうちに、11番の心は回想モードに入る。

くん 「これを(額飾りのアイオライトをはずす)お預けします。まだ後2回契約は有効です。
    困ったときはこれに呼びかけていただければ、すぐにお答えします」
11番 「ありがとう、ご親切に・・・くんさん」
くん 「契約ですから。本心を言うと、私は反対です。大魔王やその一族を侮ってはいけない。
    全員きっと生きては戻れない」
11番 「それも覚悟の上です。誰かの命令であっても、私たちを助けてくれてうれしかった。
     お礼を言います」
くん 「・・・私はおかしくなった。人間など、どうなろうとかまわないはずなのに。
    お前たちが血まみれでころがる未来、それは見たくない気がする。何故なのだろう」
11番 「くんさん?」
くん 「これは、契約とは全く関わりがない。キャプテンの持つ懐中時計、あれに術をかけました。
    いついかなる時、どのような場所においても、あれの蓋を開きさえすれば人間界への扉が開く。
    私は力が強くないので、せいぜい運べるのは一人か二人、それが精一杯」
11番 「・・・・・」
くん 「頼む。危なくなったらお前とキャプテンだけでも逃げて欲しい。
    大魔王には決して勝てないのだから。
    今度会うときには、私は違う名を名乗り、違う姿で現れるかもしれない。
    それでも、契約はまだ続いている。それを忘れないで・・・」
床に魔法陣を描く魔女L。その上に乗ると途端に魔法陣は光出す。
魔女L 「闇ミカ、あんたは一緒について来るんだ。エル、ミシェルあんた達はここでお待ち。」
闇ミカ 「はっ、はい。」
心配そうにエルシーとミシェルを振り返る闇ミカ。しかしミシェルは大丈夫と言うように笑い手を振る。
魔法陣の光は二人を包み静かに消えていった。魔法陣のあった所を見つめているエルシー。
? (クスクス。)
鈴を転がすような少女の笑い声が部屋の扉から聞こえる。
ミシェル 「誰ですか?」
ミシェルの問いに扉が開くとそこには闇ミカとそっくりなミニッコがにこりと笑って立っていた。
エルシー 「…エルちゃん?」

小屋の床に同じく魔法陣を描くこはくとひすい。
こはく 「お見合いの準備で城の中は今バタバタしていると思う。今が城の中に移動するチャンスだ。」
ひすい 「城の私達の部屋に移動しパーティが始ったら。オーロラ、あなたを父様の席まで
     案内するわ。後はそのペンダントの少女を謙譲なりなんなりするがいい。」
こはく 「その代わり、めぐの事は絶対に内緒だからな。めぐ、めぐはここに残っていて。」
13ミミ  「了解。あなた達も変な事はしないようにね。」
魔法陣に入る3人。
めぐ  「私も一緒に行きます。」
ひすい 「めぐっ、駄目よっ!父様に見つかったら…。」
めぐ  「約束したでしょう、二人と一緒にいるって。」
白蓮  「私も一緒に参ります。こはくさん、ひすいさん、信用して貰えないかもしれませんが
     めぐさんは私が絶対に守りますから。」
ヒスイ&コハク 「めぐ…。」
4人を見つめる13ミミ。胸のペンダントの中のアナイスは座り込み膝に顔を埋めふさぎ込んでいた
アナイス 「13ミミちゃんが…。叔父様、私はどうすればいいのですか…。」
その時、ふわりとアナイスの頭を撫でる小さな暖かい手。
アナイス 「…エル?」
エルシーの前に現れたのと同じ闇ミカそっくりなミニッコがアナイスを見つめる。
アナイス 「あなたはオーロラの心の中にいたエル?」
エルはフルフルと頭を振りアナイスになにか言う。
アナイス 「私の中に?…解りました、お入りなさい。」
アナイスがそういうとエルはにっこり笑って光の玉になる。アナイスが広げた両手をすり抜け
アナイスの体に入っていった。不意にアナイスの目から涙がこぼれ出す。
アナイス 「あぁ、わかったわ。あなたはオーロラが大好きだったエル。ずっと…ずっと彼女の傍に
      いたのね。」

エルシー 「エルちゃんなの?」
エルはにっこりと笑いエルシーの胸を指す。
エルシー 「エルシーの中に入りたいの?いいよ、おいで。」
光になったエルがエルシーを包み込む。
ミシェル 「エルシーちゃんっ!」
光が止むと目から大粒の涙を流し立ち尽くすエルシー。
ミシェル 「エルシーちゃんっ、大丈夫ですか?!」
エルシー 「おばぁちゃまが大好きだったエルちゃん…。ずっとおばあちゃまといたんだね…。
      でも、おばぁちゃまは気付いてくれなかったの。」
アナイス 「憎しみと悲しみで周りが見えなくなったオーロラ。ずっと傍にいたのに彼女は
      気付かなかった…。エル、貴女…。」
アナイス&エルシー 「「こんなにも暖かいのにね…。」」

エルシー 「ミシェルさんっ!エルちゃんの事、おばぁちゃまに伝えなきゃっ!!」
最近、裏方突撃隊が楽しみで仕方がない・・・
大魔王宮殿、鷹目石の部屋。
妖魔や怪物の図鑑や怪しげな斑模様の大きな卵やらが散らかる男の子らしい室内にトルソーが二つ。
MSD少年用の夜会服とMSD少女用の白い上質なドレスが並んで飾られている。
鏡台の横の椅子でマリーと向かい合って座り、彼女の顔にメイクを施している鷹目石。
いつになく真剣な眼差しで眉を描いてやっている鷹目石の横に辰砂が現れる。

辰砂  「何をやっているんだお前は」
鷹目石 「兄上!!人の部屋に入る時はノックくらいしたらどうだ」
辰砂  「気にするな。それよりこのドレスといい手ずからメイクといい、まさかこれを舞踏会に連れてくる気か?」
鷹目石 「その通りだ。仮にも大魔王の息子であるこの俺が連れの女の一人もいないのでは王族としての威信を損なう。
      アクセサリーとしてマリーを同伴する事にした」
辰砂  「だからってこんな小便臭いガキのためにこんな値の張るドレスを仕立てるとはな。
      メイクだってメイドにでもやらせればいいだろう」
鷹目石 「メイド任せのヘタレメイクの女を連れていたりしたら俺が笑い者になるだろう。
      これは俺の使い魔女なのだから、丹精込めてこの俺様に相応しい見目に仕上げてやるのだ」
辰砂  「…はぁん、惚れたか。我が弟も色気づいたものだ」
鷹目石 「ばばばばば馬鹿を言うな!!添わせているうちに情が移って大好きになってしまったとか、
      そんなのでは断じてない!!
      あれだ、イベントの抱っこ厨が手持ちの人形を飾りたてるようなものだ!!」
辰砂  「わかったから電撃を浴びせかけるな。相殺するのだって魔力を消耗するんだからな。
      第一俺は世間話をしに来たのではない」
真顔になって腕組みする辰砂。
辰砂  「城下町に放ってある俺の使い魔が連絡を寄越した。どうやら不審な人間の集団が紛れ込んでいるらしい」
鷹目石 「人間が?」
辰砂  「もうすぐ『時の狭間』、人間界と魔界との接点が最も密になる時。
      多少魔術の心得がある者ならば『魔界への扉』を越えてやって来ても不思議はあるまい」
鷹目石 「それで、人間風情が何をしに魔界まで来ているのだ。まさか祭り見物でもあるまい」
辰砂  「人間界から魔女を集めるにあたって随分強引な手段も用いたからな。
      集められた魔女の縁者が取り返そうと馬鹿な事を考えて乗り込んで来ている可能性は十分考えられる」
鷹目石 「俺からマリーを取り返そうだと?」
辰砂  「こんなガキを取り返したがる物好きがどれだけ居るかは知らんが、ゼロではないだろう。
      見せびらかしたい気持ちはわかるが、油断はするな。
      特に舞踏会の会場では注意しろ。招待客が多すぎて全員の顔と名前は誰も把握できていない。
      曲者が紛れ込んでいてもすぐにはそれとわからんからな」
鷹目石 「馬鹿な!マリーを取られたりするものか!第一俺とマリーは契約で結ばれている!」
辰砂  「お前程度の魔力で結んだ契約を完全なものだと思うな。
      もっと強い力を持つ魔法使いが本気でかかれば解呪されてしまうものだぞ。
      俺からの忠告はそれだけだ。せいぜい手に入れた女を取られないよう注意するんだな。
      …俺は花嫁を奪われないよう最大限に気を配る。人間を甘く見て付け入られる気は無い」
それだけ言うと来たとき同様気配もなく姿を消す辰砂。
マリーの手首を掴み、彼女が痛みに顔をしかめるのに構わず抱きしめる鷹目石。
鷹目石 「こいつは俺のだ。俺の使い魔女だ。誰が来たって…絶対に渡すものか!」
ヘタレメイク…抱っこ厨…
鷹目あんた最高だよ
なんか・・・鷹目石のことを応援したいような気持ちになってしまったよ。
全てが終わった後、マリーとお友達からもう一度やり直せたらいいのにね。
905今度は魔界で大冒険?!:04/12/16 22:31:00
大魔王謁見の間。片膝をつき、頭を垂れて父の到着を待つ黒曜。
ややあって、玉座に大魔王が到着する。
玉座は一段高い場所にあり、間に紗の幕が引かれているので、大魔王の姿は影しかわからない。

黒曜 「父上・・・いえ、陛下。大変お待たせいたしました。
    いよいよ時の狭間を今晩に控え、大舞踏会の準備、相整いましてございます。
    花嫁となる、強い魔力の魔女たちも選りすぐりの者が揃いました」

大魔王 「ご苦労であった。・・・夜の女王に、慰謝料にと隣接する離宮『時の迷宮』を贈ったが、
      昨日から、彼女が帰ってきているらしい。お前から招待状を送っておけ。
      全く知らん顔もできないであろう」
黒曜 「承知いたしました。それでは早速・・・」
大魔王 「まあ、待て。我が息子黒曜よ。お前の働きには感謝している。
      何とあの、魔界の災厄とまで言われた大魔女Dを捕らえたそうではないか」
黒曜 「・・・父上」
大魔王 「さすがにてこずると思っていたのだがな。舞踏会には間違いなく献上するように」
黒曜 「・・・すべてお見通しですか」
大魔王 「お前は、あきらめることには慣れているであろう。それがもう一つ増えたからと言って何だというのだ。
      楽しみにしているぞ、忠実なる黒曜」
>890
13ミミタンに萌ったよ。乙女だな〜
段々大魔王の子供達に愛着がわいてきたよ。
闇ミカの実家。ミカノパーパの前に降り立つ闇ミカと魔女L。リヒトも同じ部屋にいる。
(しょうこりもなく、蕎麦ご所望中だったらしい)
初めからヤル気満々の魔女L。
L 「私の可愛いエルを大魔王に売ろうとは・・・ 寝小便垂れのガキだったくせにいい度胸だ。
  ベッドでおやつを盗み食いして、歯を磨かずに寝て、虫歯で苦しんだこともあったねえ・・・ミカノパーパ」
パーパ 「L ! 今はそんなことを話している場合ではない。我が家にとっても存亡の危機なのだ!」
L 「こんなチンケな家の一軒や二軒、気になるなら燃やし尽くしてあげるよ・・・」
掌の上に火球を浮かび上がらせる。ミカノパーパが悲鳴を上げる。
パーパ 「すみません! ごめんなさい! ひいおばあ様!」
L 「ふん。謝るようなこと、するんじゃない。大魔王に連絡なぞしていないだろうね」
パーパ 「そ、それが・・・ おそらく今頃貴女の館は、兵士に包囲されているものと・・・」
言い終わらないうちに、Lが火球を投げつける。あちこちで響く爆発音。
あわてて闇ミカが、結界でリヒトを守る。
L 「こんな家、ない方がせいせいする。ミカノ家の最期だ」
闇ミカ 「急いで帰らないと!エルシーとミシェルが! ・・・そして、お父さん」
茫然自失状態のミカノパーパ。
パーパ 「・・・はい」
闇ミカ 「今日を限りに、親子の縁を切ります。これからはあなたに子はなく、
      僕にも父はない。・・・本当に今日がミカノ家の最期です」
パーパ 「闇ミカ!」
L 「行くよ、闇ミカとそこの男」
燃え盛る炎の中で、魔法陣がひときわまぶしく輝く。Lと闇ミカ、リヒトが消えた後、轟音と共に館は炎上する。

間一髪で、魔法で脱出するミカノパーパとミカノ家の家人。
パーパ 「私はひとえに家のことを思って・・・」
ゴス城。嬉々としてゴスサラのために選んだドレスを、次から次に広げているサラノマーマ。
ゴスサラは着せ替え人形のように(人形だが)、無表情に従っている。
ドアにノックの音がする。
凌 「奥様、舞踏会の件でご相談したいことが、と叔父様が」
マーマ 「わかったわ。ちょっと少年、ゴスサラちゃんを見ていてちょうだい。
      人攫いにでもあったら大変」
慌てて出て行くサラノマーマ。凌はゴスサラの前に立つ。
凌 「ゴスサラさん、僕です。凌です。わかりますか?」
ゴスサラ 「りょう、くん・・・」
ゴスサラの目に少しだけ光が戻る。目がうるみだしたゴスサラを見て、あせる凌。
凌 「ゴスサラさん!泣かないで! お見合いなら、何とかして僕たちがつぶしますから!」
ゴスサラ 「さよならって・・・」
凌 「え?」
ゴスサラ 「闇ミカに、さよならって、言ったの。ずっと考えないようにしてた。
       いくら家が対立しても、あたしはあたし。闇ミカは闇ミカ。そんなの、関係ないって。
       でも、わかった。ミカノ家はやっぱり敵。エルシーちゃんにあんなひどいことを・・・」
もう涙が止まらない。しゃくりあげるゴスサラをおろおろしつつも慰める凌。
凌 「闇ミカさんが、エルシーちゃんにひどいことしたわけじゃないですよね。
   それなのに、ひとくくりに『ミカノ家は敵!』って言われたら、きっと闇ミカさんもかなしいよ。きっと・・・」
ゴスサラ 「もうだめ。あたしから、さよならしたんだもの。
       闇ミカだってきっと思ってるわ。『やっぱりゴス家の娘は裏切り者』って・・・」
凌 「よかった〜 ゴスサラさん、闇ミカさんを嫌いになった訳じゃないんですね」
ゴスサラ 「嫌いになんてなれるわけないじゃないの! でも、もう遅いの。すべてが・・・」
凌 「ゴスサラさん、闇ミカさんを信じて。闇ミカさんもゴスサラさんが大好きだもの。
   きっと来てくれる。大丈夫だから」
ゴスサラ 「信じる・・・? 闇ミカを・・・?」
凌 「そして、自分の気持ちを。それが一番大切なことだと僕は思う」
910今度は魔界で大冒険?!:04/12/17 00:06:28
水晶 「(この氷の柱から出る方法はただ一つ。それは私が死ぬこと。
   それを知ったら、この人は私の死を望むかしら。
   もちろん、そうよね。自分の命が他のものよりも大切でない者などいないわ)」
水晶がふとデカ健の方に目をやると、氷の柱の中でデカ健が桃饅をパクついている。
水晶 「ちょっと、あなた何食べてるの!? 」
デカ健 「≪TOHYA≫の桃饅ほど美味じゃないけど、冷えた体には何よりのご馳走だね」
水晶 「いったい誰がそんなもの差し入れしたのよ?」
デカ健 「ここの掃除してた君の家来の魔物に持ってこさせた。
   俺があっさり死んじゃったら君ががっかりするよって言ったらすぐ持ってきたよ。
   外から物は入れられるのに出ることはできないんだね。
   どういう仕組みになっているの?」
水晶 「そんなこと、私があなたに教えるとでも思って?」
デカ健 「だよねー。ところで、君の家来の魔物って、えらく醜いね」
水晶 「私が心を動かさなくてすむように、もっとも醜い者を選んだのよ。
   (愛した人を信じられなくなるなんて、もうまっぴら!
   そう、私がこの人に持つ感情はただの興味。断じて恋なんかじゃないわ!)
デカ健 「あいつ、君のことが好きみたいだね。
   案外、魔法で魔物に変えられた王子かなんかだったりして」
闇ミカそっくりのミニっこって、誰をカスタムしたら一番似ているだろうか
アイホールはある程度融通利くけど、口許が難しいね。
・・・ゴメン、思いつかん orz
サラノマーマ 「ゴスサラちゃん、準備は整った?もう城のお迎えが来ているわよ。」
ゴスサラの部屋のドアを叩くサラノマーマ、叔父様と司が後ろから現れる。
叔父様 「奥様、報道陣がまた玄関前に詰め掛けています。このまま出るとパーティに遅れる
     可能性が・・・。どうでしょう、私と奥様で玄関から出てインタビューを受け
     その間にお嬢様は裏から出て行くというのは。」
サラノマーマ 「そうねぇ、でも途中でゴスサラちゃんになにかあったら・・・。」
司   「その点はお任せください。俺が命に代えてもお嬢様をお守りしますから。」
サラノマーマ 「・・・(少々の間)頼りないけどいないよりはましね。では裏に飛竜を控えて
     あるからそれに乗って城に向かってちょうだい。いい?あんたがボロボロに
     なろうともゴスサラちゃんだけは死守するのよ。」
ギロリと司を睨み付けるサラノマーマ。
司   「はっ、はいっ!」
二人が去った後ゴスサラの部屋から顔を出す凌。
凌   「行った?」
凌に顔だけ振り返りウィンクを送る司。
ゴスサラのウィッグを深く被り、黒いドレス姿の凌が部屋から出てくる。
ゴスサラ 「本当にこんな洋服とウィッグを取り替えただけでお見合いが潰せるの?」
つづいて凌のウィッグに王子服姿のゴスサラも出てくる。
凌   「わかりません。でもゴスサラさんを魔王から少しでも遠ざけて危険を
     回避しておいたほうがいいと思って。」
司   「それに凌君がゴスサラちゃんの格好をしていれば城の中は行き来自由だろ?
     エスコート役の俺も一緒についていけるし。後は隙を伺うしかないな。」
黒ナーシャ 「3人とも早くするでつ。サラノマーマたんが戻ってこないうちに出ないと駄目でつ。」
司   「オK!黒ナーちゃんは後は叔父様と行動をともにしてくれ。」
黒ナーシャ 「はいでつ。」    
司   「しかし不謹慎かもしれないけどまさか飛竜に乗れるなんて・・・。魔界ならでは
     って感じで俺、超感動してるんだけど。」
司がわくわくしながら裏口を空けるとそこには手綱をつけ雄雄しく立っている一頭のモルテンが・・・。
司   「・・・飛竜?」
凌   「モルテン、どうしてここに?!」
モルテン「話は後だ、3人共早く乗れ。」