>>732 >>728じゃないけど軽く回答させてもらうよ
まあ、刑法馬鹿のボヤきだとでも思って聞いてくれ
法律屋はこういう議論が大好きなんだ
@窃盗は物の経済用法に従って利用・処分する意思をもって占有侵害をしなければ成立しない(大審院/大正4・5・21)
猫の経済的用法がペットとして飼育することだとすれば、飼う意思なくして猫を捕獲する場合には窃盗罪は成立しえない
A器物損壊は物の効用を害すれば成立するので、捕獲によって所有者が飼育できなくなれば器物損壊は成立しうる
ただし、猫を捕獲した理由が猫の庭荒らしを防ぐためであるとするならば正当防衛あるいは緊急避難により違法性が消滅する可能性がある
なお、ここでは防衛意思・避難意思については分かりきったことであるから問題にしない
以下場合分け
A:猫に所有者がいる場合
所有者に過失があるならば、猫を道具とした財産権侵害(=不正の侵害)が観念できるので正当防衛を適用しうる
急迫性の部分については議論の余地あり(後述)
必要性については議論価値無し
相当性については前々から猫避けの対策をしているなどの事情があれば認められやすいと推測される
B:野良猫の場合
物である猫では「不正」を観念できないので、対物防衛のケースとなる
正当防衛と解する説であれば@とパラレルに解することができる
緊急避難と解する説であれば物-物なので法益均衡は満たしうる
補充性については正当防衛の相当性とある程度パラレルに考えることができる(正当防衛より多少要件が厳しくなる)
(AAより急迫性について)
急迫性は単に時間的切迫性を示すものではないことは判例・通説ともに異論のないところである
では、慢性的な猫による庭の被害につき急迫性を認めることができるか
思うに、刑法が正当防衛につき急迫性を求めた趣旨は国家による被害救済が期待できない場合にのみ違法性を阻却する点にあると解することができる
現状の日本国において、保健所は野良犬については積極的な捕獲を行っているが、野良猫は消極的な対策しか取っていない
してみると、猫による被害は国家による被害救済が期待できず、個人による自力救済をするしかないと解される
また、反復継続した法益侵害は侵害時に容易に反撃することができないというのが大きな特徴である
このような場合、法益侵害のタイミングは完全に侵害者が支配しており、被侵害者がコントロールできるものではない
してみると、法益侵害が慢性に続いており、以降も法益侵害が継続すると推測するのに合理的な理由があるような場合には
反復継続した法益侵害につき、なお急迫性が継続していると解することができる
民法は専門外なのでパス
ただ、一般的なことを言わせてもらえば、刑法上正当防衛や緊急避難が認められる場合には
民法709条が要請する過失の要件が認められない場合が多い
猫の捕獲・保健所への引き渡しは無過失責任の要件を満たさないので、過失がなければ損害賠償責任は発生し得ない