同紙によると、社内でもディープ・スロートの正体の守秘体制は徹底していた。知っていたのは、直接の担当だったボブ・
ウッドワード(現編集局次長)、カール・バーンスタイン(現在フリーランス)の両記者と、当時の編集主幹のベン・ブラ
ッドリー氏、ウッドワード氏の妻の4人だけだった。同紙の故キャサリン・グラハム社主も取材源を質問することすらせず、
ブラッドリー氏も「聞かれても答えなかっただろう」と語った。
ウッドワード氏がフェルト氏と連絡したい場合、電話の盗聴を警戒して自宅アパートのベランダに目印の植木鉢を置くなど
して連絡した。一方、フェルト氏からは、ウッドワード氏の自宅に配達されるニューヨーク・タイムズ紙の20ページ目に
時計の針を書き込むという形で接触の合図を送った。ワシントン市内の地下駐車場での面会時は、複数のタクシーを乗り継
ぎ、わざと間違った場所で下車するなどして、尾行に注意したという。
「自分がディープ・スロートだ」とするフェルト氏の発言を総合月刊誌バニティ・フェアが公表したのは31日。AP通信や
ロイター通信は緊急電で同誌の記事を転電。CNNテレビなども緊急特番を組んだ。