動物虐待の定義と予防について徹底論議するスレ

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良かれと思った活動           別の問題

ペットを守る知識              殺しのテクニック
犬猫の長寿化               捨て犬捨て猫の問題

です。そんなに分かりづらい文章ではないと思うのですがね;;


さて、今回は動物の進化の話をしてみます。

カッコウという鳥は托卵という習性を持っています。
托卵がどういう行為なのかというと、カッコウは、別の鳥が卵を産んだ巣をみつけて、
一個だけその巣に卵を産み落とします。そのカッコウの卵は、他の鳥の卵よりも早く
孵化します。そして生まれたカッコウの雛は、自分の回りにある卵を、すべて巣から
落としてしまいます。こうして、まんまと巣を乗っ取ったカッコウの雛は元もとの
子供のように振舞います。親鳥は別の鳥種なので、気付きそうなものですが、本能なのか、
そのまま雛を育ててしまう・・・という行為です。

一時、オナガという鳥が、このカッコウの托卵の標的とされ、数が激減するということが
起きました。しかし近年、オナガの数は回復傾向にあります。それは、オナガの卵が
カッコウの卵と区別がつくような模様を持つようになり、親鳥が上手に、托卵された卵を
排除することが出来るようになったためです。ここに興味深い進化の過程があります。
カッコウの卵と区別のつかない卵しか産めないオナガは、托卵されて、淘汰されていき、
特徴のある卵を産める個体が生き残る。そうして生き残った個体同士で、卵を産むと、
さらに特徴のある卵が生まれやすくなる・・・という自然淘汰と進化の繰り返し
を確認することが出来ます。晴れてオナガ達は進化を遂げて、種の絶滅の危機から脱したわけです。


317214:2006/12/30(土) 01:50:10 ID:YJWN4i5V

>>273さんが言うように犬猫などをペットとして飼う行為は長い歴史があり、犬猫自体も
より人間が飼い易いように進化してきたことは、否めません。しかしなぜ、犬猫の多産は
改善されないのでしょうか?

ペットはペットショップで購入したり、
誤って大量に生まれてしまった個体の里親になったりして、飼い始めますね。
そうしてうまれた犬猫が成長し、さらに誤って子供を大量に作ってしまったとします。
望まれない子犬や子猫は、里親でもらわれることもあると思いますが、
多くは捨てられて様々な死を迎えたり、保健所で殺処分することで、数を調整されることになります。

ここに前述のカッコウとオナガの話のような、進化の機能が全く発揮されていないことに気づかされます。
ブリーダーにとっては、少数の個体から沢山生まれるのは、小さな規模でも生産性が高いという意味では、
都合が良いでしょうし、ペットの子供は、生まれすぎて里親に出されるのですから、逆に言うと、
多産な個体ほど、里親に出されやすい傾向があるのです。
さらに、人が動物を飼えなくなるのは、人の都合であって動物自体に原因があるわけではありません。

この過程で、より少産の個体が生き残るという現象は全く見られません。
どうやら、より人の興味を引く、愛らしい姿に進化することが出来ても、子供を多く産まない
ように進化するプロセスはないようです。

ここに動物が、ペットとして種を存続していく不自然さがあります。


318214:2006/12/30(土) 01:56:48 ID:YJWN4i5V

しかし近年、バイオテクノロジーの進化により、少し事情が変わってきています。

米ALLERCA社が、アレルギーフリーの猫を発表したことは、日本でも話題になりましたね。
猫の遺伝子の構成の中で、アレルギーを起こす物質を出す部分を発見し、よりアレルギーを
起こしにくい猫を繁殖していくことで、最終的にアレルギーの起きない猫というものを
開発したそうです。

この事例は遺伝子の法則を見つけただけみたいですが、今後、遺伝子を組替えたり、
その他さまざまな科学的なテクニックを使って、より動物をペットとしての理想に
近づけていく可能性があります。その過程で多産の問題も解決されるかもしれません。

しかし、こういうのって少しグロテスクな感じがしませんか?

愛玩動物の場合、これまでも徹底的に餞別されて、現在の品種を作ってきているわけです。
今後、さらに最新テクノロジーを加えて、何百年かけて、何億何兆もの個体を殺して、
「かわいい動物を飼いたい」という欲望を追求していってよいのでしょうか?
私は大きな疑問を感じざる負えません。

ペットを飼うこと自体は否定しませんが、より多くの人々がペットを飼う世の中っていうのは、
望ましくないような気がします。今より、さらに需要が高まれば、ALLERCA社以上の無理をする
企業も出てくるかもしれません。需要がなければ、そのような研究に多くの投資はされませんよね。

さらにここでの本題の虐待やその他の問題も、ペットの数が減れば、改善されることが期待できます。
なにか、行政に圧力をかけようとか、法律をつくってほしいとか、
思考がそういう方向ばかりに持って行くから、動物愛護の方は、お仲間を増やしたそうにみえます。
しかし、実は全体数を減らすことは、多くの問題の減少に寄与するわけですから、
ペット愛好家にとって、プラスになるのではないでしょうか?
ぜひ、そういう発想を持って欲しいと思います。
319214:2006/12/30(土) 01:58:38 ID:YJWN4i5V

追記

元々オナガは標高の高い地域に住む鳥だったそうですが、近年、住宅街のような非常に標高の低い地域でも、
見かけるようになってしまいました。滑空する姿は、非常に優雅で美しいのですが、
声は「ぐぇ!ぐぇ!」といって、あまり綺麗ではなく、うるさいです。(^^;;)

このオナガの住宅街への進出を、仮に「人間のせい」ということにしてみるとどうでしょう?
なにか、立ち上がらなければいけないような、義憤にかられる感じがするかもしれません。
しかし、これを「カッコウのせい」ということにしてみると、私はなにか、ズッこけるというか、
脱力してしまいます。「なんだカッコウかよ!」みたいな。

それだけ「人間のせい」という言葉には、それ自体の中に、人の心に火をつけるような、魔力のようなものを感じます。


みなさん良いお年を!